FM東京の渡辺貞夫の番組『マイ・ディア・ライフ』に鈴木勲がゲスト出演して、8弦のセロを使って演奏したことを覚えている。基本の4弦に共鳴するような構造にしたと言っていた。その番組が、このアルバムのリリース前だったのか、後だったのか。たしか、アローン・トゥゲザーをソロで演奏していた記憶があり、こういうジャズもあるのかと興奮した。
その興奮は、ラジオから流れてくるある種のライブ演奏で、しかもソロだったからだろう。このアルバムからは、その時の興奮が伝わってこない。主役のセロに対して、ピアノ、ギター、ベース、ドラムという構成が、互いの瞬発力を妨げている。特にエレクトリックピアノが入る曲では、セロの響きを台無しにしているのだ。
1. Hip Dancin'
2. We'll Be Together Again
3. Sack O' Woe
4. Falling In Love With Love
5. Alone Together
渡辺香津美 - guitar
辛島文雄 - piano, electric piano
鈴木勲 - cello
Sam Jones - bass
Billy Higgins - drums
Recorded on April 17, 1976 at Onkyo House, Tokyo.