鈴木勲 / Hip Dancin'

FM東京の渡辺貞夫の番組『マイ・ディア・ライフ』に鈴木勲がゲスト出演して、8弦のセロを使って演奏したことを覚えている。基本の4弦に共鳴するような構造にしたと言っていた。その番組が、このアルバムのリリース前だったのか、後だったのか。たしか、アローン・トゥゲザーをソロで演奏していた記憶があり、こういうジャズもあるのかと興奮した。

その興奮は、ラジオから流れてくるある種のライブ演奏で、しかもソロだったからだろう。このアルバムからは、その時の興奮が伝わってこない。主役のセロに対して、ピアノ、ギター、ベース、ドラムという構成が、互いの瞬発力を妨げている。特にエレクトリックピアノが入る曲では、セロの響きを台無しにしているのだ。

1. Hip Dancin'
2. We'll Be Together Again
3. Sack O' Woe
4. Falling In Love With Love
5. Alone Together

渡辺香津美 - guitar
辛島文雄 - piano, electric piano
鈴木勲 - cello
Sam Jones - bass
Billy Higgins - drums

Recorded on April 17, 1976 at Onkyo House, Tokyo.

鈴木勲 / Black Orpheus

渡辺貞夫のFM東京の番組「マイ・ディア・ライフ」に鈴木勲がゲストで出演し、セロで「黒いオルフェ」を演奏したのが、今でも耳に残っている。しかし、ネットからはその情報を検索できず、勘違いだったのかも知れない。いずれにしても、大学のジャズ研時代にウッドベースでオルフェのソロを練習したことは間違いない。今でも、左手の運指の感覚が残っている。だが、コンボの課題曲にしたものの、音合わせを数回やってお仕舞になった。アドリブを展開するのは難しい曲である。

そんなことをふと思い出し、2015年3月に購入したアルバム。だが、ジャズを長年聴き続けてきたこともあってだろうか、学生時代に感動した鈴木勲のベースには、それほど驚きがなくなってしまった。地を這うベースでなく、宙を浮いている感じがしてしまう。まぁ、仕方がない。自分の耳が肥えたということではなく、自分の中のジャズが収斂されていったと言うことだろう。

1. Manha De Carnaval
2. Angel Eyes
3. Who Can I Turn To
4. In A Sentimental Mood
5. Blues

山本剛 - piano, electric piano
鈴木勲 - bass, cello
Donald Bailey - drums

Recorded on February 20, 1976 at Aoi Studio, Tokyo.

鈴木勲 / Blue City

2016年8月15日、青春18きっぷで秋田のジャズ喫茶『ロンド』を訪れたとき、このアルバムを流してくれて、何十年か振りに聴いた。大学のジャズ研時代、一年先輩のギタリストが渡辺香津美のフレーズを盛んに練習していたことを思い出した。その先輩が他界してもう何年になるだろう。そんなことを思いながら東北の旅を続けて行った。避けていた訳ではないが、ディスクユニオンで中古LPに出会うことがなく購入できなかったアルバム。『ロンド』の訪問をきっかけにして、その後すぐに購入。香津美を聴きながら先輩のギターの指使いが思い浮かんだことを思い出す。

紙ジャケのライナーノーツには、いソノてルヲ氏と内田修氏の解説が載っているのだが、あまりも字が小さくて読む気になれない。作り手はLPを再現しようとしたのだろうが、購入者のことを全く考えていない。

1. Body And Soul
2. 45th Street - At 8th Avenue -
3. Play Fiddle Play
4. Blue City

渡辺香津美 - guitar
菅野邦彦 - piano
鈴木勲 - cello, bass
井野信義 - bass
小原哲次郎 - drums

Recorded on March 4,1974 at Aoi Studio, Tokyo.