正直、メンバーの全員が超一流ではないものの、ジャケットは超一級品。デザイナーはReid Miles(リード・マイルス)。ブルーノートのジャケットデザインを400枚以上手掛けたそうだ。そして、本作で鋭い緊張感を示しているのは、エリック・ドルフィーの雰囲気が漂うJames Spaulding(ジェームス・スポールディング)のアルトとフルート。フレディ・ハバードのトランペット一本だけでは、単調になっていたかも知れない。さらに、ハービー・ハンコックを中心にしたバックがフロント2管を見事に支えている。超一流を揃えなくても、そのアンサンブルによって深みのあるジャズを展開できる好例。
ところで、2015年2月にリリースされたボブ・ディランのアルバムShadows In The Nightは、全10曲をジャズのスタンダード曲で貫き通した。そして、ジャケットまでもブルーノート風で本作と酷似。こちらのデザイナーはGeoff Gans(ジェフ・ガンズ)。真似されるというのは、やはり超一級の証なのだ。
1. You're My Everything
2. Prophet Jennings
3. Hub-Tones
4. Lament For Booker
5. For Spee's Sake
6. You're My Everything [alternate take]
7. Hub-Tones [alternate take]
8. For Spee's Sake [alternate take]
Freddie Hubbard - trumpet
James Spaulding - alto saxophone, flute
Herbie Hancock - piano
Reggie Workman - bass
Clifford Jarvis - drums
Recorded on October 10, 1962 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.