湯浅学 / ボブ・ディラン ロックの精霊

2013年11月20日発刊 岩波新書 定価760円。この本を読むまで、湯浅学と言う音楽評論家は知らなかった。ネットで調べると、同学年である。大学在学中に、大瀧詠一の事務所・スタジオでアシスタントを経験したとあった。音楽評論が主な仕事らしいが、ジャンルにはこだわっていないようだ。この本は、コンパクトにディランの生き方を描いている。ディランをもっと知りたい人には、勧めたい。

しかし、書かれている内容の情報源は、ディランの「自叙」などから。彼独自の視点がちりばめられているものの、強烈に伝わってくるメッセージは少ない。悪い意味ではないが、少し教科書的な印象を受けた。本書の『あとがき』に「ボブ・ディランがいなかったらロックはこうなっていなかった。それは確かなことだ」とある。じゃあ、どうなっていたかと想像する一文が欲しいのだ。

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