Lee Morgan / Lee Morgan Sextet Vol.2

ジャケット表には参加メンバー全員が記載され、裏にはメンバーの下にCompositions and arrangements by BENNY GOLSON and OWEN MARSHALL.とある。ブルーノートで作曲者とアレンジャーをジャケットに明確な形で記載したアルバムは珍しいのではないだろうか。リー・モーガン18歳のブルーノートでの2作目のリーダーアルバム。多くのサポーターによって作られたことが示されている。

1曲目のベニー・ゴルソン作Whisper Notの出だしでドキッとする。モダンジャズの醍醐味。ジャッケトが憎い。モノクロ写真でこれだけ表現できるんだと妙に感心してしまう。4曲目もゴルソン作のSlightly Hepで、名曲Five Spot After Darkのプロトタイプだ。

1. Whisper Not
2. Latin Hangover
3. His Sister
4. Slightly Hep
5. Where Am I
6. D's Fink

Lee Morgan - trumpet
Hank Mobley - tenor saxophone
Kenny Rodgers - alto saxophone
Horace Silver - piano
Paul Chambers - bass
Charlie Persip - drums

Recorded on December 2, 1956 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.

Lee Morgan / Introducing Lee Morgan

ブルーノートからリリースされたリー・モーガンのデビュー作Indeed!の翌日に録音。本作はサヴォイから。この翌月にはLee Morgan Sextet Vol.2をブルーノートで録音。当時、リー・モーガンはレコード会社とどういう契約を結んでいたのだろうか。本作に限って言えば、そもそもがハンク・モブレー名義のアルバムとして録音したと思われる。1曲目がモブレー作のHank's Shoutで始まるし、ジャケットを良く見れば、With Hank Mobley Quintetとある。つまり、モーガンはゲストプレイヤーとして参加したのだ。

しかし、サヴォイはモーガンの勢いに乗じて、モーガン名義のアルバムに変えてしまった。モーガンより8歳年上のモブレーは、まぁ売れればいいよという寛大な態度をとったのだろう。「モーガンって奴は凄いな、好きなようにペットを吹けばいいさ」と。そんなセッションではなかったのだろうか。

1. Hank's Shout
2. Nostalgia
3. Bet
4. Softly, As In A Morning Sunrise
5. P.S. I Love You
6. Easy Living
7. That's All

Lee Morgan - trumpet
Hank Mobley - tenor saxophone
Hank Jones - piano
Doug Watkins - bass
Art Taylor - drums

Recorded on November 5 & 7, 1956 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.

Lee Morgan / Indeed!

リー・モーガンは1938年7月生まれ。このアルバムの録音が1956年11月なので、モーガンはまだ18歳。どうやって18歳の少年が、ジャズの本質であるパワーとスリルに溢れた息遣いを身に付けたのだろう。Wikipediaとスイングジャーナル『世界ジャズ人名辞典』から次のことがわかった。13歳の誕生日に姉からトランペットを贈ってもらい、いくつかのレッスンを受けた。15歳になると自分のグループを持ってダンス・ホールなどで演奏。56年10月にディジー・ガレスピー楽団に入団(58年2月まで在籍)。断片的な事実はこれだけである。

モーガンがクリフォード・ブラウンから影響を受けたことはよく知られている。ならば、15歳から18歳の間にブラウンとの接点があったのかと思ったが、その事実は出て来なかった(ブラウンは56年6月26日に交通事故で死去)。だとすれば、モーガンはダンス・ホールで小遣いを稼ぎ、ブラウンのレコードを買い込んで必死に練習したのではないか。モーガンにIndeed!(その通り!)と言って欲しいのだが。

1. Roccus
2. Reggie Of Chester
3. The Lady
4. Little T.
5. Gaza Strip
6. Stand By
7. Little T. [alternate take]

Lee Morgan - trumpet
Clarence Sharpe - alto saxophone
Horace Silver - piano
Wilbur Ware - bass
Philly Joe Jones - drums

Recorded on November 4, 1956 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.