加川良 / プロポーズ

2015年9月27日付けのブログで次のように書いた。久しぶりに聴いたが、今でも同じ気持ちだ。

困った。加川良は言葉で聴いてきた。このアルバムはリズムで聴かせようとしている。歌い手は変わっていく。それはそれで自然。聴き手は歌い手を常に追いかけていないと、変曲点を捉えきれない。加川良の歌は本質的には変わっていない。だけど、リズムに力点を置いた理由が分からない。それでも、「ゴスペル ―嘘でもいいから―」は加川らしい心に沁みる唄。満月の夜にふさわしい。

1. コスモス
2. HELP!
3. 通りゃんせ
4. ラブソング
5. 道
6. セリフ
7. HIGH-GEAR
8. 日本海が広がっている
9. ゴスペル ―嘘でもいいから―
10. 誕生日

発売 1981年4月21日

Don Cherry / Where Is Brooklyn?

1966年11月の録音だが、69年9月リリースなので3年近く費やしたことになる。しかも、初期のタイトルはThe Art Of Smiling(微笑の芸術)だったと、マイケル・カスクーナがライナーノーツに書いている。なぜにリリースに時間を要し、さらにはタイトルも変えたのか。そもそも、Where Is Brooklyn?(ブルックリンは何処?)の意味も不明なのだが…。

CD帯には3項目を列挙。「1.オーネットから独立した鬼才が1965年から66年にかけてブルーノートに残した3傑作中の最終作。 2.コルトレーン・バンド在籍のファラオ・サンダースを加えたカルテット構成。 3.艶やかなトランペットとフリーキーなサックスのコントラストが素晴らしい」。さらに付け加えたいのは、「4.エド・ブラックウェルの躍動感あふれるドラミング」である。

ジャケット裏には、オーネット・コールマンによる長文の解説が掲載されている。その中の一文。These men playing here can always be counted on for a first class performance because love lives in their heart for the true expression of the human warmth.(このプレイヤー達は、人間の暖かさを真に表現するための愛が心に宿っているので、最高のパフォーマンスを期待することができる)。この文章を読むと、タイトルはThe Art Of Smilingの方が適切な感じがする。

1. Awake Nu
2. Taste Maker
3. The Thing
4. There Is The Bomb
5. Unite

Don Cherry - cornet
Pharoah Sanders - tenor saxophone, piccolo
Henry Grimes - bass
Ed Blackwell - drums

Recorded on November 11, 1966 at Rudy Van Gelder Studios, Englewood Cliffs, New Jersey.

Gil Evans / Where Flamingos Fly

誰が最初に言い出したのか知らないが、ギル・エバンスは「音の魔術師」と呼ばれることがある。何となくギルのイメージが伝わってくるが、決してトリッキーなアレンジをする訳ではない。聴き手の想像を超えるような楽器の特性を導き出すことが特徴。本作のように、時にはボイスも使う。ここでは、ビリー・ハーパーを中心とした力強いパフォーマンスが展開されるものの、スコアに縛られている感じ。だからこそ、ギルの本領発揮なのだろう。だが、エネルギーが伝わってこない。こればかりは聴き手の感性の問題。少なくとも、自分にとっては作られ過ぎたジャズ、音楽としか思えないのだ。

スイングジャーナルのディスク大賞・銀賞を1981年に受賞。録音は1971年。この10年経過の意味は、録音当時にギルはレコード会社との契約がなかったため、テープを自身で保存していたことによるそうだ。発売当時の国内盤LPジャケットは、独自に制作された模様で「星図」を示している。そして、フラミンゴの群れが飛ぶ。ジャケット裏には"Front Cover Art & Design: Koichi Satoh"と表記。輸入盤はCD化されたようだが、廃盤状態で手が出せない価格。

1. Zee Zee
2. Nana
3. Love Your Love
4. Jelly Rolls (mistitled "Hotel Me" on the original release)
5. Where Flamingos Fly
6. El Matador

Gil Evans - piano, electric piano, tack piano, arranger, conductor
Billy Harper - tenor saxophone, chimes
Howard Johnson - tuba, baritone saxophone, flugelhorn
Johnny Coles, Stan Shafran (tracks 2-5) - trumpet
Trevor Koehler - soprano saxophone, baritone saxophone (tracks 2-5)
Hannibal Peterson, Jimmy Knepper - trombone (tracks 2-5)
Don Preston, Phil Davis (tracks 2-5) - synthesizer
Harry Lookofsky - tenor violin (tracks 1,6)
Joe Beck - guitar, mandolin (tracks 1,6)
Bruce Johnson - guitar (tracks 2-5)
Richard Davis - double bass (tracks 2-5)
Herb Bushler (tracks 1,6), Bill Quinze (tracks 2-5) - electric bass
Lenny White (tracks 1,6), Bruce Ditmas (tracks 2-5) - drums
Sue Evans - percussion, marimba (tracks 1,2,6)
Airto Moreira, Flora Purim - vocals, percussion (tracks 2,6)

Recorded in 1971 in NYC.