Thelonious Monk / Palo Alto

CD帯から。「キング牧師が暗殺され、全米が人種差別に揺れていた1968年10月。ジャズを通して人々の結束を願う一人の男子高校生の想いに応えたモンクは、当時のレギュラー・カルテットを率いて学内コンサートに参加。〈ブルー・モンク〉、〈エピストロフィー〉などの代表曲が演奏されると会場は感動の熱気に包まれた。ライブハウスやラウンジではなく、高校の校舎で行なわれた前代未聞のライブ音源が軌跡の発掘!」。

国内盤を購入して正解だった。このコンサートの詳しい経緯を解説した翻訳が付いていた。コンサート会場はパルアルト・ハイスクールの体育館。当日は雨。モンクはほんとうにやって来るのか。疑いを持つ人が、チケットは買わずに体育館周辺に雨にもかかわらず溢れた。モンクのカルテットを乗せた車が駐車場に到着。車の窓から飛び出たウッドベースのヘッドの部分を見て、彼等はチケットの売り場に直行。コンサートは大盛況。高校の黒人用務員が、ピアノをチューニングするので、代わりに録音させてくれと申し出ていた。その音源が発掘され、2020年9月、コンサートから52年経ち世に出された。さらに、CDには当時のポスターのコピーまで同梱。このコンサートを企画した高校生Danny Scher(ダニー・シャー)、そしてピアノの調律ができた用務員(名前不明)に大感謝。

1. Ruby, My Dear
2. Well, You Needn't
3. Don't Blame Me
4. Blue Monk
5. Epistrophy
6. I Love You Sweetheart of All My Dreams

Charlie Rouse - tenor saxophone (except tracks 3,6)
Thelonious Monk - piano
Larry Gales - bass (except tracks 3,6)
Ben Riley - drums (except tracks 3,6)

Recorded on October 27, 1968 concert at Palo Alto High School, CA.
Released on September, 18, 2020.

Joe Henderson / The State Of The Tenor Live At The Village Vanguard Vol.2

ビレッジ・バンガードでの、テナー、ベース、ドラムのトリオとなると、どうしてもロリンズを連想してしまう。ロリンズの場合は、1957年11月3日の一晩のライブが3枚のLPに分かれて発売された。本作は3日連続のライブが2枚のCDに分散。ロリンズは一発カウンターパンチ、ジョー・ヘンダーソンはじわじわ効いてくるボディーブロー。50年代と80年代、ジャズの環境の違いも当然ながら影響している。

ロリンズのライブと比較するのは、本質的に無意味だが、本作は明らかに気迫に欠ける。と、ここまでは、Vol.1にも書いた。Vol.1は1985年11月14日から1曲、15日4曲、16日2曲という構成。Vol.2は15日2曲、16日5曲。このバラマキ配曲によって、各アルバムに特徴を出せなくなってしまった。では、なぜに巷では本作が名盤と呼ばれているのか。1980年録音のアルバムMirror, Mirror以来の5年振りのリーダー作だからということなのだろう。つまり、ヘンダーソン・ファンからすれば、待ちに待ったアルバム。「命盤」という感じ。

1. Boo Boo's Birthday
2. Cheryl
3. Y Ya La Quiero
4. Soulville
5. Portrait
6. The Bead Game
7. All The Things You Are

Joe Henderson - tenor saxophone
Ron Carter - bass
Al Foster - drums

Recorded on November 15 (tracks 3,5) & 16 (tracks 1,2,4,6,7), 1985 at The Village Vanguard, NYC.

Joe Henderson / The State Of The Tenor Live At The Village Vanguard Vol.1

ビレッジ・バンガードでの、テナー、ベース、ドラムのトリオとなると、どうしてもロリンズを連想してしまう。ロリンズの場合は、1957年11月3日の一晩のライブが3枚のLPに分かれて発売された。本作は3日連続のライブが2枚のCDに分散。ロリンズは一発カウンターパンチ、ジョー・ヘンダーソンはじわじわ効いてくるボディーブロー。50年代と80年代、ジャズの環境の違いも当然ながら影響している。

ロリンズのライブと比較するのは、本質的に無意味だが、本作は明らかに気迫に欠ける。その大きな要因はバックにある。ロン・カーターとアル・フォスターは、うまくまとめようとして、ヘンダーソンを煽っていない。結果的にヘンダーソンの演奏が平面的になっている。特にロンのベースの特徴は、良い意味でも悪い意味でも、先の読める演奏をすること。つまり、この編成ではハプニングが期待できないのだ。そのことが自然と観客にも伝わり、拍手にも気合いが入っていない。バンガードではないライブハウスでやれば、こんな風には叩かれなかっただろう。

1. Beatrice
2. Friday The 13th
3. Happy Reunion
4. Loose Change
5. Ask Me Now
6. Isotope
7. Stella By Starlight

Joe Henderson - tenor saxophone
Ron Carter - bass
Al Foster - drums

Recorded on November 14 (track 3), 15 (tracks 1,2,5,7) & 16 (tracks 4,6), 1985 at The Village Vanguard, NYC.