Gil Evans / Where Flamingos Fly

誰が最初に言い出したのか知らないが、ギル・エバンスは「音の魔術師」と呼ばれることがある。何となくギルのイメージが伝わってくるが、決してトリッキーなアレンジをする訳ではない。聴き手の想像を超えるような楽器の特性を導き出すことが特徴。本作のように、時にはボイスも使う。ここでは、ビリー・ハーパーを中心とした力強いパフォーマンスが展開されるものの、スコアに縛られている感じ。だからこそ、ギルの本領発揮なのだろう。だが、エネルギーが伝わってこない。こればかりは聴き手の感性の問題。少なくとも、自分にとっては作られ過ぎたジャズ、音楽としか思えないのだ。

スイングジャーナルのディスク大賞・銀賞を1981年に受賞。録音は1971年。この10年経過の意味は、録音当時にギルはレコード会社との契約がなかったため、テープを自身で保存していたことによるそうだ。発売当時の国内盤LPジャケットは、独自に制作された模様で「星図」を示している。そして、フラミンゴの群れが飛ぶ。ジャケット裏には"Front Cover Art & Design: Koichi Satoh"と表記。輸入盤はCD化されたようだが、廃盤状態で手が出せない価格。

1. Zee Zee
2. Nana
3. Love Your Love
4. Jelly Rolls (mistitled "Hotel Me" on the original release)
5. Where Flamingos Fly
6. El Matador

Gil Evans - piano, electric piano, tack piano, arranger, conductor
Billy Harper - tenor saxophone, chimes
Howard Johnson - tuba, baritone saxophone, flugelhorn
Johnny Coles, Stan Shafran (tracks 2-5) - trumpet
Trevor Koehler - soprano saxophone, baritone saxophone (tracks 2-5)
Hannibal Peterson, Jimmy Knepper - trombone (tracks 2-5)
Don Preston, Phil Davis (tracks 2-5) - synthesizer
Harry Lookofsky - tenor violin (tracks 1,6)
Joe Beck - guitar, mandolin (tracks 1,6)
Bruce Johnson - guitar (tracks 2-5)
Richard Davis - double bass (tracks 2-5)
Herb Bushler (tracks 1,6), Bill Quinze (tracks 2-5) - electric bass
Lenny White (tracks 1,6), Bruce Ditmas (tracks 2-5) - drums
Sue Evans - percussion, marimba (tracks 1,2,6)
Airto Moreira, Flora Purim - vocals, percussion (tracks 2,6)

Recorded in 1971 in NYC.

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