Miles Davis / Dig

マイルス・デイビス自叙伝①には、本作についてこう書かれている。「プレスティッジは、マイクログルーブという新しい技術を使って、レコーディングしようとしていた。〈中略〉つまり、クラブのライブみたいに、長いソロが取れるというわけだ。信じられなかった。オレは、33 1/3回転盤でレコーディングする最初のミュージシャンになろうとしていたし、この新技術がもたらす自由な可能性に興奮していた。それまでの、お決まりの3分間の演奏には飽き飽きしていたんだ。大急ぎでソロを始めて終わらせなくちゃならないし、本当に自由なソロを取る余裕なんてなかったんだ」。マイクログルーブ、すなわちLPについて調べたところ、ジャズアルバムとして本作が最初に3分の壁を破ったのは確からしい。

さらに、自叙伝はこう続く。「オレはレコーディングのために、ソニー・ロリンズ、アート・ブレイキー、トミー・ポッター、ウォルター・ビショップ、ジャッキー・マクリーンを集めたが、これがジャッキーの初レコーディングにもなった。このレコーディングは、最高の演奏になった。トランペットの練習は十分、おまけにバンドのリハーサルもやったから、誰もが素材やアレンジに慣れていた。ソニーはここでもたいした演奏をしたが、ジャッキーもよくやった」。マイルスのロリンズへの過大評価には首をかしげてしまうが、本作以降のロリンズの進化を我々は知っているからなのだ。

1. Dig
2. It's Only A Paper Moon
3. Denial
4. Bluing
5. Out Of The Blue
6. Conception
7. My Old Frame

Miles Davis - trumpet
Sonny Rollins - tenor saxophone
Jackie McLean - alto saxophone
Walter Bishop Jr. - piano
Tommy Potter - bass
Art Blakey - drums

Recorded on October 5, 1951 at Apex Studio, NYC.

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