全体的に不思議な印象を与えるアルバム。その理由は楽器構成。サックス、ドラム、ベースに加えてピアノが入らず、トロンボーンとヴァイブが入っているため。そして、ジャッキー・マクリーンの作品(1、3曲目)とグレイシャン・モンカ―の作品(2、4曲目)が、あまりにも曲想が違うこと。さらには、モンカ―の作品は、Frankenstein(フランケンシュタイン)とGhost Town(ゴースト・タウン)で、意味ありげな曲名になっている。だからと言って、アルバム全体の構成がバラバラではない。かなり計算されていて、だからこそOne Step Beyondというタイトルにしたのだろう。
1963年4月の録音。参加したトニー・ウィリアムスは45年12月生まれなので、17歳5ヶ月でのセッションである。トニーのWikipediaには、「62年11月、16歳のときジャッキー・マクリーンにスカウトされて、ニューヨークに移った。翌63年にはマイルスのいわゆる〈黄金のクインテット〉のメンバーに抜擢され、69年まで在籍した」とある。トニーの詳細なディスコグラフィーが見つからないが、英文Wikipediaを参照したところ、トニーにとってのデビューアルバムのようだ。トニーにとっても、One Step Beyondなのである。
1. Saturday And Sunday
2. Frankenstein
3. Blue Rondo
4. Ghost Town
Jackie McLean - alto saxophone
Grachan Moncur III - trombone
Bobby Hutcherson - vibraphone
Eddie Khan - bass
Tony Williams - drums
Recorded on April 30, 1963 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.