The Jazz Messengers(ジャズの使者)に対抗して作られたジャズ・コンボThe Jazz Prophets(ジャズの預言者)。一般論であるが、この手の後発隊は一発花火で終わることが多い。先発隊は何らかの荒波を乗り越えているから、そう簡単に沈没することなくシブトイのだ。メッセンジャーズに参加してきたケニー・ドーハム自身は、そんなことはよく分かっていたはず。それでも「預言者」になりたかったのだろう。
一発目の花火としては、決して悪くない演奏。だが、ジャケットにVol.1としっかり記載してしまった。これが失敗。Vol.2が必ずリリースされるという確約などないのだ。特にジャズの世界は。ジャケットのトランペットは水平よりやや上向きながら、ドーハムの閉じた目線は下を向いている。「Vol.2は難しいかも知れないなぁ」という雰囲気。その預言は的中してしまったのだ。
1. The Prophet
2. Blues Elegante'
3. DX
4. Don't Explain
5. Tahitian Suite
Kenny Dorham - trumpet
J.R. Monterose - tenor saxophone
Dick Katz - piano
Sam Jones - bass
Arthur Edgehill - drums
Recorded on April 4, 1956 in NYC.