Sonny Rollins / Freedom Suite

『自由組曲』と名付けたアルバム。確かに、自由度の高いピアノレスのトリオ構成ではある。しかしながら、この録音の前年に行われたビレッジ・バンガードでのライブに比べると、決して自由度が高いとは言えない。ライブとスタジオの違い。エルビン・ジョーンズとマックス・ローチの違い。ロリンズは、前年のライブとは違う自分を表現したかったかも知れない。演奏は淡々と進み、「ロリンズ、やるなぁ」という場面が訪れずに終わってしまう。かといって、実験的な要素も感じられない。自由と言うのは、一歩間違えると不自由なものである。

輸入盤LPのジャケット裏にはロリンズのメッセージが載っていたが、自分で翻訳することはなかった。国内盤中古CDを購入したところ、その翻訳が以下のように記載されていた(訳者は不明)。ローチがアルバムWe Insist!を録音したのは1960年後半。このFreedom Suiteの2年半後。ローチからの影響を感じるFreedom Suiteである。なお、CD化でTill There Was Youの別テイクが追加された。

「アメリカは黒人の文化に深く根差している。その話し言葉にしても、そのユーモアにしても、その音楽にしても、黒人は、アメリカの文化を独自のものとして声高に叫ぶ他のどんなひとびとよりも多数であるのに、その黒人が虐待され抑圧されているとは、そしてその存在によって人間らしさを実証している黒人が非人道的な扱いをされているとは、何と皮肉なことか」。

1. The Freedom Suite
2. Someday I'll Find You
3. Will You Still Be Mine?
4. Till There Was You
5. Till There Was You [alternate take]
6. Shadow Waltz

Sonny Rollins - tenor saxophone
Oscar Pettiford - bass
Max Roach - drums

Recorded on February 11 (tracks 2-6) and March 7 (track 1), 1958 in NYC.

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