ロリンズによるピアノレストリオの初録音。ロリンズにとっては、一つの実験的な取り組みであったと思う。結果的には完成度の高いアルバムに仕上がったのだが、ベースとドラムとの駆け引きはほとんどない。まさしく、ロリンズらしいリーダーアルバムである。まぁ、相手はレイ・ブラウンとシェリー・マンなので、丁々発止のやりとりはちょっと望めないだろう。この2人は名サポーターなのだ。油井正一氏によるライナーノーツは以下のように始まる。
『僕自身、ソニー・ロリンズの最大傑作は、プレスティッジの〈サキソフォン・コロッサス〉と、この〈ウェイ・アウト・ウエスト〉だと思っている。このことは拙著「ジャズの歴史物語」のロリンズの章で、50年代におけるロリンズの偉大さを知るためには、この2枚があれば、他は「あったほうがよいが、なくても差し支えない」…とまでいいきっている』(1986年3月記)。本作から9ヶ月後に録音された同じピアノレストリオでのライブアルバムA Night At The Village Vanguardは、「なくても差し支えない」というのは全く同意できないのだが。
1. I'm An Old Cowhand
2. Solitude
3. Come, Gone
4. Wagon Wheels
5. There Is No Greater Love
6. Way Out West
7. I'm An Old Cowhand [alternate take]
8. Come, Gone [alternate take]
9. Way Out West [alternate take]
Sonny Rollins - tenor saxophone
Ray Brown - bass
Shelly Manne - drums
Recorded on March 7, 1957 at Contemporary Records Studio, Los Angeles.