山下洋輔 / A Tribute To Mal Waldron

そもそも、1980年6月に、なぜマル・ウォルドロンに捧げるアルバムを作ったのか。油井正一氏のライナーノーツでは「山下洋輔はずっと昔からマル・ウォルドロンにひそかな共感と敬意を抱いていたのである」とあっさりと書いているだけ。それって、ヨースケだけの話ではないだろう。

この年のヨーロッパ楽旅の最後に、ヨースケのソロを録音する契約だったらしいが、プロデューサーのホルスト・ウェーバーが国仲勝男のベースを入れたいと契約変更を申し出たらしい。3曲目のMal Is Back In Townはヨースケ、残り3曲はマルの作品。ヨースケはソロでの構想を描いていたはずなので、本来の曲数はもっと多かったはずだ。もしくは、トリオに合ったマルの作品を改めて探した可能性もある。所有するヨースケのアルバムを調べると、ピアノ・ベース・ドラムによるトリオでの録音はこの時が初めて。これが正しいとすれば、マルはどうでもよく「ヨースケ、ついにピアノ・ベース・ドラムのトリオに初挑戦!!」のようなキャッチコピーになるのだ。

1. Trane's Soul Eyes
2. One-Upmanship
3. Mal Is Back In Town
4. Minoat

山下洋輔 - piano
国仲勝男 - bass
小山彰太 - drums

Recorded on June 17 & 18, 1980 at Studio Bauer, Ludwigsburg.

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