1曲が20分以上の演奏で、アルバムは2曲で構成。それらを安易に大曲とは言わないものの、ファラオ・サンダースらしいハートフルな演奏である。1曲目は同じフレーズを繰り返すことによって心を揺さぶり、2曲目は音の激しい振幅で心を刺激させる。その様子がジャケットに現われている。手をつないだ人々の「心」の色合いが微妙に異なるのだ。ここにファラオの仕掛けをみたが、録音データがはっきりしていないのは何故だろう。1972年から73年の録音としかない。
以下はCDの帯から。「ワイルドでピースフルな音世界。絶頂期のファラオが綴る、スピリチュアル・ジャズのタペストリー。スピリチュアル・ジャズの覇者、ファラオが作曲とサックスの両面で充実の極みをみせた1枚。ノーマン・コナーズやジェームス・ブランチの参加にも注目したい」。この録音当時、ファラオはコルトレーンに追い付こうとしていた。それを吹っ切ったのは1990年7月録音のアルバムWelcome To Loveだった。ファラオの絶頂期は、90年代に入ってからというのが自分の分析。
1. Love Is Everywhere
2. To John
Pharoah Sanders - tenor saxophone, flute
Joe Bonner - piano
James Branch - flute
Cecil McBee - bass
Norman Connors - drums
Lawrence Killian, James Mtume, Badal Roy - percussion
Recorded in 1972 - 1973.