Pat Metheny / 80/81

フロントにテナー2本を配置したことが、このアルバムに重厚感を与え、地を這うダイナミズムを引き出している。テナー1本だけでは厚みがなく、テナーとアルト、もしくはトランペットやトロンボーンでは、ギターとリズム以外のところに軸が移動してしまう。ギター、ベース、ドラムを中心に置き、それらを煽る役目が2本のテナー。この構成が傑作を生みだした。所有する輸入盤CDには、一切の解説無し。それでよし。黙って聴けと言う姿勢なのだ。

大半がパット・メセニーの作品であるが、オーネット・コールマンのアルバムTomorrow Is The Question!(1959年2月録音)に収録されたTurnaroundを演奏したことに注目。チャーリー・ヘイデンは、アルバムGolden Number(76年8月録音)でハンプトン・ホーズとのデュオの演奏。さらに、アルバムCharlie Haden - Jim Hall(90年7月録音)でジム・ホールとデュオ。コールマン自身もアルバムSound Grammar(2005年10月録音)で再演。ちなみに、ミシェル・ペトルチアーニがソロアルバム100 Hearts(1993年録音)で演じた。隠れたスタンダード曲と言えるだろう。

Disc 1
1. Two Folk Songs: 1st 2nd
2. 80/81
3. Tha Bat
4. Turnaround

Disc 2
1. Open
2. Pretty Scattered
3. Every Day (I Thank You)
4. Goin' Ahead

Dewey Redman - tenor saxophone
Michael Brecker - tenor saxophone
Pat Metheny - acoustic and electric guitars
Charlie Haden - acoustic bass
Jack DeJohnette - drums

Recorded on May 26, 27, 28 & 29, 1980 at Talent Studio, Oslo, Norway.

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