森山威男 / 森

ライナーノーツで、森山自身が父親のことを書いている。『森のように静かだった父のこと。〈中略〉高校生のとき、親をだまして金をせしめ、パチンコをした。玉をはじいている俺の後ろから「この台は出るか」と声がした。片手に玉を持った父が隣の台に座った。二度と親をだますまいと思った。〈中略〉70歳を過ぎたとき、父が言った。「俺は歯医者には向いていないような気がする」「いまさら」と思った。〈中略〉80歳を過ぎたとき、無口な父が力強く言った。「威男!今からでも遅くはない。頑張れば二人で立派な狸になれる」分からん。入院中の父の耳元で「赤とんぼ」を歌ってあげた。静かだった。森のように。』

このアルバム『森』と続編アルバム『山』は、同じメンバーでの同日録音。『森』は重量感のある奥深い印象を与える。スイングジャーナル選定ゴールド・ディスク。いや、それ以上に存在感のアルバムである。

1. The Immigrant
2. Gratitude
3. In A Sentimental Mood
4. The House Of The Rising Sun
5. Hole In The World

音川英二 - soprano saxophone, tenor saxophone
George Garzone - soprano saxophone, tenor saxophone
田中信正 - piano
望月英明 - bass
森山威男 - drums

Recorded on March 9 & 10, 2002 at studio F, Tajimi-shi, Gifu.

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