CD帯から。「若きケニー・ドリューの代表作として知られる1枚。スタンダードを中心に、デューク・エリントン、セロニアス・モンク、そして自作曲を交えて、マイルス・デイビス・クインテットで活躍するリズムセクションと組んで溌剌としたトリオ・ミュージックを創造する。若々しいプレイと共にドリューの名人芸も楽しめる」。ここでの自作曲とは7曲目のBlues For Nicaのこと。そして、本作が録音された時期、マイルスはアルバムCookin'などのセッションを行なっている。そのリズム陣と組んだ訳であるが、ドリュー自身のマイルスとの共演は、1951年にわずかなセッションが残っているだけ。つまり、マイルスからは認められなかったドリューのピアノスタイルと言えるのだ。
だが、スイングジャーナル誌は本作を認め、ゴールド・ディスクに選定。演奏内容はゴールドで輝いているが、少年2人を写したジャケットがあまりにも暗すぎる。英語原文のライナーノーツには、白黒写真の創設者Roy De Carava(ロイ・デ・カラヴァ)による写真で、このアルバムとの関連性はないと書いている。では、なぜにカラヴァの写真を採用したのか。本作は超スタンダード曲Caravanで幕を開ける。つまり、CaravanからCaravaの連想と見抜いたのだが…。真相はいかに。
1. Caravan
2. Come Rain Or Come Shine
3. Ruby, My Dear
4. Weird-O
5. Taking A Chance On Love
6. When You Wish Upon A Star
7. Blues For Nica
8. It's Only A Paper Moon
Kenny Drew - piano
Paul Chambers - bass
Philly Joe Jones - drums
Recorded on September 20 & 26, 1956 in NYC.