1970年代後半、ジャズは迷走していた。そして1976年6月、ハービー・ハンコックはV.S.O.P.クインテットでジャズに活力を与えた。これが一つのきっかけとなり、ジャズ界に新たな動きが始まったと思っている。このプロジェクトもその一つ。
ジャズ界の中にあって、異なる経歴を持つミュージシャンが集まって音作りをした。ジャック・ディジョネット、ジョン・アバークロンビー、レスター・ボウイ、エディ・ゴメスの4人が演奏する楽器は、複雑に絡み合い瞬間的に役割を交代していく。調和を目指したのではなく、緊張感を表現しようとしたのだと思う。それがNew Directionsのタイトルになったのだろう。V.S.O.P.とは両極端にある存在だった。
1. Bayou Fever
2. Where Or Wayne
3. Dream Stalker
4. One Handed Woman
5. Silver Hollow
Lester Bowie - trumpet
John Abercrombie - guitar, mandolin
Eddie Gomez - bass
Jack DeJohnette - drums, piano
Recorded in June 1978 at Talent Studio, Oslo.