2枚組LPで1973年に発売されたが、当時の自分にとっては高価すぎて手を出せなかった。LPの計4面で1曲82分という構成。ジャズ喫茶のターンテーブルには載らなかったはずだ。ジャズ喫茶の親父達も手を出せなかったに違いない。最近、比較的安価な1,980円でCD化されていることを知り、迷わず購入。録音から47年経って初めて聴く音源。
圧倒的という表現は安易に使いたくないが、他の言葉が見つからない。だが、圧倒されたのは厚生年金に足を運んだ人だけだろう。82分1本勝負の演奏、そして視覚から飛び込んでくるパフォーマンスがあるからだ。82分はあっという間の出来事だったかも知れない。このライブから一週間後、セシル・テイラーにとっては初のソロアルバムを無観客のイイノホールで録音。このアルバムを「千本ノックの嵐」と自分は評したが、本作はノック練習に先立つ「過酷な筋トレ」と言いたい。
1. Bulu Akisakila Kutala Part.1
2. Bulu Akisakila Kutala Part.2
Cecil Taylor - piano
Jimmy Lyons - alto saxophone
Andrew Cyrille - drums
Recorded on 22 May 1973 at Koseinenkin Dai-Hall / 厚生年金大ホール, Tokyo, Japan.