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白水社 1978年1月20日発行 1,500円。植草甚一と鍵谷幸信の編集による本で、数多くの人が、この本でコルトレーンを語っている。青木和富、清水俊彦、悠雅彦、相倉久人、白石かずこ、中上健次、翠川敬基など。その中で、中上健次は短文で次のように結んでいる。
「コルトレーンとアイラーの死んだ今、絶対にジャズの日々は帰らない事を知っている。私に、ジャズは死んだ。いや、ジャズとともにあったねじ曲がった魂の、虫けら同然の、私の<青春>のようなもの、それがはっきりと死んだ。私にはジャズは無用だ」。Amazonで調べたところ、1991年3月1日再版の古本が数冊販売されているだけだった。中上が言うように、コルトレーンの死と共にジャズも死んでしまったのかも知れない。
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