ジャズを言葉で伝えるのは、極めて難しい。マイルスの緊張感、コルトレーンの激しさ、モンクの不協和音。いくら言葉で形容しても空しくなるばかり。それを承知でArt Ensemble Of Chicago - AEOCの音楽を形容するならば、音楽の「軸」が違うことが前提で、アンサンブルの緊張感と言ってしまおう。ある楽器(例えば、マイルスのトランペット)に緊張感を感じるのではなく、AEOCが創る音楽にブルッと震えるのだ。
ジャケットの写真が面白い。「もっと刺激し合わなければだめだなぁ」という問いかけに「今日の新聞では、日本人のウエムラが単身イヌぞりで北極点に到達したらしい」「ならば、オレ達もソロ活動に重点をおこうか」と、朝のコーヒーでゆったりしとした1978年4月末の会話を想像する。Nice Guysだ。
1. Ja
2. Nice Guys
3. Folkus
4. 597-59
5. Cyp
6. Dreaming Of The Master
Lester Bowie - trumpet, celeste, bass drum
Joseph Jarman - reeds, percussion, vocal
Roscoe Mitchell - reeds, percussion
Malachi Favors Maghostus - bass, percussion, melodica
Famoudou Don Moye - drums, percussion, vocal
Recorded in May 1978 at Tonstudio Bauer, Ludwigsburg, Germany.