1977年のリリースだが、CDでの再発時に高田渡自身が1992年9月25日付けで次のように書いている。「結成というか、湧き出したのは1975年?頃だと思う、当時デキシーランド・ジャズに狂っていたテナー・バンジョーの小林清君、でその友達でベースの大庭昌浩君、そしてボク・高田渡、何でも演れる佐久間順平君。なんか面白いの演ろうよ!とオリジナル四人衆の出来上がり。〈ヒルトップ・ストリングス・バンド〉はいつも8~10台程の楽器を持ち歩いた。バンドボーイ、マネージャーも無しで、この楽器達を両脇にかかえ、日本中を旅した」。本作の根っこは、デキシーランド・ジャズなのだ。
そして、2005年に旅立った高田渡を追悼し、2008年4月に紙ジャケットで復刻。ベースの大庭氏による追悼文から抜粋。「(本作を)録音する事になり、銀座の音響スタジオを集まりました。この時、驚いたのは、この立派なスタジオに酒屋が来て、ビール1ケースに日本酒、ウイスキー、カワキモノなど配達に来たのです。いつのまにか高田さんがたのんでいたのです。酒を飲みながら録音するとはびっくりしました」。どうしようもなくジャズなのである。
1. ヴァーボン・ストリート・ブルース
2. 夜汽車のブルース
3. ウイスキーの唄
4. シグナルは青に変わり汽車は出てゆく
5. G・M・S(グラフィス・マンドリン・ソサエティ)
6. その向こうの
7. ダイナ
8. 猿股の唄
9. 座蒲団
10. すかんぽ(哀れな草)
11. リンゴの木の下でドミニクは世界の日の出を待っていた
高田渡 - vocal, guitar, autoharp, mandolin, ukulele
佐久間順平 - mandolin, violin, bouzoukee, vocal, guitar, ukulele
小林清 - banjo, vocal, guitar, ukulele
大庭昌浩 - bass
外山義雄 - trumpet
後藤雅広 - clarinet
池田幸太郎 - trombone
池田光夫 - bandoneon
Recorded on June 6 & 13, 1977 at ONKIO HAUSE.