ピーターソンのピアノ・テクニックに対して、非常に評価の高いアルバム。それは否定しない。だけど、自分としては聴く順番を間違えてしまったアルバムである。モンク、パウエル、エバンス、キースなどを聴き込んでから、このアルバムに出会った。そのため、どうしようもなく物足りない。技ではなく、心を揺さぶるジャズでしか酔えない体になってしまった。
録音は1962年暮れ。ジャズはすでに大きく変化していたにもかかわらず、ピーターソンは自分達がやれるジャズしかやっていなかったという事実。それが刻まれたアルバムとも言える。ピーターソンならば朝飯前の演奏。なのに、タイトルが「ナイト・トレイン」とは、これ如何に。特にラスト曲「自由への讃歌」の評価が高いようだが、時代背景を考えれば「不自由」でしかない。黒鍵の出番は極めて少なく、白鍵ジャズなのだ。
1. C Jam Blues
2. Night Train
3. Georgia On My Mind
4. Bags' Groove
5. Moten Swing
6. Easy Does It
7. Honey Dripper
8. Things Ain't What They Used To Be
9. I Got It Bad And That Ain't Good
10. Band Call
11. Hymn To Freedom
Oscar Peterson - piano
Ray Brown - bass
Ed Thigpen - drums
Recorded on December 15 & 16, 1962 in Los Angeles, CA.