World Saxophone Quartet / Steppin'

デヴィッド・マレイ、オリバー・レイク、ジュリアス・ヘンフィル、ハミエット・ブルーイットの4人によるグループを的確に表現した見事なジャケット。上下左右からのサックス。バリトン、テナー、アルト、ソプラノ。それぞれのシャツと上着。中心は地球(残念ながら日本は裏側であるが…)。イタリアのレーベル「ブラック・セイント」からのリリース。

国内では、日本人ジャズ評論家のライナーノーツを付けてディスクユニオンがリリースしていた。LPを購入したのは40年ほど前。渋谷のディスクユニオンだったと思う。その頃はたまらない刺激だった。今、CDで聴き直しても、新たな発見がある。弦楽器も打楽器もなし、管楽器だけで勝負。調和と不調和の間を飛び交う不安定さによる快感。

1. Steppin'
2. Ra-Ta-Ta
3. Dream Scheme
4. P.O. In Cairo
5. Hearts
6. R&B

David Murray - tenor saxophone, bass clarinet
Julius Hemphill - alto saxophone, soprano saxophone
Oliver Lake - alto saxophone, soprano saxophone
Hamiet Bluiett - baritone saxophone, flute

Recorded in December 1978 at Ricordi Studios, Milano.

World Saxophone Quartet / Point Of No Return

World Saxophone Quartet - W.S.Q.のファーストアルバム。1977年に結成されたユニットで、同年6月のドイツでのジャズ・フェスティバルでデビューしたようだ。その模様を捉えたのが本作。4本のサックスだけという構成が非常にユニークで、会場からはその真新しさに拍手喝采が沸き起こるが、まだまだ荒削りで4人の役割が定まっていない。聴衆にどう受け止められるかと模索している感じでもある。

その後、彼ら4人(デヴィッド・マレイ、ジュリアス・ヘンフィル、オリバー・レイク、ハミエット・ブルーイット)は、ユニットの理想像を描いてセッションを繰り返したのだろう。翌78年12月に録音されたアルバムSteppinで、見事なアンサンブルを展開することになる。従って、本作はW.S.Q.の発生シグナルと言えるのだ。ドイツのマイナーレーベルMoers Musicによるリリースのため、一時的にCD化されたものの、現在は廃盤状態。70年代後半のジャズのムーブメントを知る上では、大事な位置を占めるアルバムなのだが。

1. Dar El Sudan
2. Bajou Scetches
3. Point Of No Return
4. Scared Sheetless
5. Hymn For The Old Year

David Murray - tenor saxophone
Julius Hemphill - alto saxophone
Oliver Lake - alto saxophone, soprano saxophone
Hamiet Bluiett - baritone saxophone

Recorded in June 1977 at 6th International NEW JAZZ Festival Moers, Germany.

Woody Shaw / Stepping Stones

ビレッジ・バンガードでのウッディ・ショウのライブ演奏。時代は1970年後半を迎え、4ビートジャズが見直されてきた頃。そのきっかけになったのは、1976年6月29日、ニューポート・ジャズ・フェスティバルで「ハービー・ハンコックの追想」というプログラムが組まれ、アルバムV.S.O.P.がリリースされたこと。その2年後、ここでも熱いジャズが繰り広げられた。

新たな息吹を感じさせるアルバム。残念なのは、ショウにとっての定番曲がないこと。アルバムの最初の3曲はショウの作品であるが、印象に残る曲とは言えない。熱いけれど完全燃焼しないアルバム。そして、手抜きとは言わないものの安易なジャケット。

1. Stepping Stone
2. In A Capricornian Way
3. Seventh Avenue
4. All Things Being Equal Are Not
5. Escape Velocity
6. Blues For Ball
7. Theme For Maxine

Woody Shaw - cornet, flugelhorn
Carter Jefferson - tenor saxophone, soprano saxophone
Onaje Allan Gumbs - piano
Clint Houston - bass
Victor Lewis - drums

Recorded on August 5 & 6, 1978 at The Village Vanguard, NYC.