Sonny Rollins / Sonny Meets Hawk!

ロリンズにとっては、大先輩であるコールマン・ホーキンスとの共演。ロリンズは1930年9月、ホーキンスは1904年11月生まれである。ロリンズは自分のプレイをぶつけて、先輩への恩返しをしようと思ったに違いない。一方のホーキンスは、ロリンズに花を持たせようとしたはずだ。どうもそこに食い違いがあったようで、空回りしている。しかも、粘り気の無いポール・ブレイのピアノ。

ロリンズとホーキンスの顔合わせまでは良かったが、アルバムのコンセプトを明確にしなかったことで、よそよそしい雰囲気のアルバムになってしまった。セッションは1963年7月15日と18日の2回。初日のホーキンスは遠慮気味だったが、2日目のセッションでロリンズにようやく絡んできた。だが、消化不良で終わってしまった感じ。名役者を揃えれば、名演奏になるとは限らない見本である。

1. Yesterdays
2. All The Things You Are
3. Summertime
4. Just Friends
5. Lover Man (Oh Where Can You Be?)
6. At McKies'

Sonny Rollins - tenor saxophone
Coleman Hawkins - tenor saxophone
Paul Bley - piano
Bob Cranshaw - bass (tracks 1,2,5)
Henry Grimes - bass (tracks 3,4,6)
Roy McCurdy - drums

Recorded on July 15 (tracks 1, 2 & 5) and 18 (tracks 3, 4 & 6), 1963 in NYC.

Sonny Rollins / Our Man In Jazz

油井正一氏によるLPのライナーノーツから抜粋。「このアルバムは、カムバック第3作にあたるもので、引退中から興味をもっていた〈アバンギャルド・ジャズ〉の世界に足を踏み入れた最初にして最後の作品として、ロリンズ・ファンは無論のこと、すべてのジャズ愛好家に大きな反響を呼んだ空前の話題作です」。

だが、今となっては、ロリンズの名作OleoとDoxyをロリンズ自身が一度切りの前衛料理で台無しにしてしまった1962年7月のライブ演奏の話題作と評価せざるを得ない。CD化では翌年63年2月のセッション3曲、さらには過去に収録されたアルバムからOleo、Dearly Beloved、Doxyの54年、57年、58年バージョンが追加されている。この全9曲の配置は、ロリンズの前衛への取り組みは失敗だったとことを大胆に示している。

1. Oleo
2. Dearly Beloved
3. Doxy
4. I Could Write A Book
5. You Are My Lucky Star
6. There Will Never Be Another You
7. Oleo [1954 Version]
8. Dearly Beloved [1957 Version]
9. Doxy [1958 Version]

Sonny Rollins - tenor saxophone
Don Cherry - cornet
Bob Cranshaw - bass (tracks 1-3)
Henry Grimes - bass (tracks 4-6)
Billy Higgins - drums

Tracks 1, 2 & 3
Recorded on July 27, 28, 29 & 30, 1962 at The Village Gate, NYC.

Tracks 4, 5 & 6
Recorded on February 20, 1963 at NYC.

Track 7 - album "Bag's Groove"
Miles Davis - trumpet / Sonny Rollins - tenor saxophone / Horace Silver - piano
Percy Heath - bass / Kenny Clarke - drums
Recorded on June 29, 1954 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.

Track 8 - album "The Sound Of Sonny"
Sonny Rollins - tenor saxophone / Sonny Clark - piano / Percy Heath - bass / Roy Haynes - drums
Recorded on June 11, 1957 in NYC.

Track 9 - album "At Music Inn"
Sonny Rollins - tenor saxophone / John Lewis - piano / Percy Heath - bass / Connie Kay - drums
Recorded at the Music Inn, Lenox, MA on August 3, 1958.

Sonny Rollins / The Bridge

モダンジャズを少しでも勉強した人なら良く知っているように、ソニー・ロリンズの雲隠れは有名である。彼なりの理由があったはずだが、ある日突然、表舞台から消えてしまう。このアルバムは、2度目の雲隠れから突如復帰したときの録音。ディスコグラフィーを見ると、1959年3月11日のフランスでの録音でぷっつりと途切れ、約3年後の62年1月と2月にこのアルバムの録音に臨んだ。その3年間、マンハッタンとブロンクスを結ぶウィリアムバーグ橋の上で練習に励んだと言われている。

そんな背景もあって、このアルバムの評価は決して低くはない。だが、ジャズに限らず音楽は背景で聴く訳ではない。ピアノではなく、ジム・ホールのギターを従えたカルテットなのに、十分にその良さが発揮できていない。まぁ、橋の上にも3年と言うけれど、違うな、石の上だな。3年間に1ヶ月足りなかったことが、未完成のアルバムとなったと言いたい。

1. Without A Song
2. Where Are You
3. John S.
4. The Bridge
5. God Bless The Child
6. You Do Something To Me

Sonny Rollins - tenor saxophone
Jim Hall - guitar
Bob Cranshaw - bass
Ben Riley - drums (tracks 1-4,6)
Harry "H.T." Saunders - drums (track 5)

Recorded on January 30 and February 13 & 14, 1962 in NYC.