Paul Chambers / Bass On Top

2010年11月2日に開始した所有する全アルバムのブログ化。すでに第1ラウンドは2016年9月に完了。すぐに第2ラウンドに入ったものの、明確なコンセプトを設定しなかったので、中途半端になってしまった。そこで、改めて仕切り直し。ジャケットとCDのツーショット、決め手の1曲。みたいな感じで進めてみたい。

一般的には、YesterdaysとDear Old Stockholmがこのアルバムの代表曲だろう。しかしながら、自分にとっては間違いなく You'd Be So Nice To Come Home To。テーマをチェンバース自身が弾き、そのままアドリブへ突入。学生時代、四畳半の部屋でウッドベースを抱きかかえレコードを回しながら完全コピーに挑んだ。テーマのみならず、アドリブの一音一音が頭の中に刻み込まれている。

ちなみに、最終曲Chamber MatesはCD化で追加された。

1. Yesterdays
2. You'd Be So Nice To Come Home To
3. Chasin' The Bird
4. Dear Old Stockholm
5. The Theme
6. Confessin'
7. Chamber Mates

Kenny Burrell - guitar
Hank Jones - piano
Paul Chambers - bass
Art Taylor - drums

Recorded on July 14, 1957 at Rudy Van Gelder Studio in Hackensack, New Jersey.

Paul Chambers / Whims Of Chambers

ジャケットの写真を見ながら、自分の学生時代を思い出す。自宅から中野駅までウッドベースに車輪を付けて、30分ほど歩いてよく運んだ。バスが混んでいない時間帯は乗せてもらったこともある。そして、中野駅から東小金井までは中央線。改札を出るときに、当時の国鉄の職員から荷物代を払ってくださいと言われ喧嘩した。中野で乗る時には何も言われなかったのに、何で降りるときに請求されるんだと。

このアルバムはポール・チェンバースが21歳の時。東小金井事件の自分は21歳。彼は「ブルーノート」でリーダー作を録音し、自分はホーセー大学コーガク部ジャズ研「ブルーノーツ」でマネージャーを務めた。単数と複数の違い。錚々たるメンバー。1923年生まれのフィリー・ジョー・ジョーンズを筆頭に、ジョン・コルトレーン(26年)、ホレス・シルバー(28年)、ケニー・バレル(31年)、ドナルド・バード(32年)そして、チェンバース(35年)。兄貴たちが、最年少チェンバースのリーダーアルバムに一肌脱いで盛り上げた。

1. Omicron
2. Whims Of Chambers
3. Nita
4. We Six
5. Dear Ann
6. Tale Of The Fingers
7. Just For The Love

John Coltrane - tenor saxophone
Donald Byrd - trumpet
Kenny Burrell - guitar
Horace Silver - piano
Paul Chambers - bass
Philly Joe Jones - drums

Recorded on September 21, 1956 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.

Paul Bley / Open, To Love

1983年10月に記された青木和富氏のライナーノーツ(LPとCDは同じ内容)。「このポール・ブレイのソロピアノの世界は、リリシズムの世界だが、ジャズピアノのリリシズムというと、何といってもひきあいにだされるのがビル・エバンスだ。けれど、うすいベールを通したような微妙な濃淡で語られるエバンスのリリシズムとは、このポール・ブレイのリリシズムの世界は基本的に違う。ブレイのそれは、あくまでもハードなタッチの一音一音で構成されるもので、その一音一音はもののかたちの表面をなぞるのではなく、表面をつき抜け、意識の内側に垂直にすべりおち、ある種の生理的な領域まで届く不思議なリリシズムの世界である」。

なるほど。そこまで聴き込んではこなかった。「意識の内側に垂直にすべりおち」という言葉が、まさしく肌に垂直に突き刺さる。聴きたいけど、聴く怖さがここにはある。

1. Closer
2. Ida Lupino
3. Started
4. Open, To Love
5. Harlem
6. Seven
7. Nothing Ever Was, Anyway

Paul Bley - piano

Recorded on September 11, 1972 at Arne Bendiksen Studio, Oslo.