Pat Metheny / Rejoicing

かなり期待して購入したアルバムである。残念ながら、その期待には応えてもらえなかった。密度の濃い演奏ながら、振幅が足りない。聴き手が感じ取ろうとする前に、演奏がどんどんと先に行ってしまい、指の間を通り抜け掴み取れない。果たして、演奏する側はどうだったのだろうか。

Rejoicing(歓喜)に満ちた瞬間には出会えるが、アルバムを聴き終わった後の爽快感がない。その理由は、ギター、ベース、ドラムという構成にあったように思う。この構成に合う曲を用意できなかったと言えそうだ。オーネット・コールマン作の3曲が演奏されたことをトピックスとして取り上げられているが、このアルバムを語る上では、本質的な要素とは思えない。

1. Lonely Woman
2. Tears Inside
3. Humpty Dumpty
4. Blues For Pat
5. Rejoicing
6. Story From A Stranger
7. The Calling
8. Waiting For An Answer

Pat Metheny - guitars
Charlie Haden - bass
Billy Higgins - drums

Recorded on November 29 & 30, 1983 at Power Station, NYC.

Pat Metheny / 80/81

フロントにテナー2本を配置したことが、このアルバムに重厚感を与え、地を這うダイナミズムを引き出している。テナー1本だけでは厚みがなく、テナーとアルト、もしくはトランペットやトロンボーンでは、ギターとリズム以外のところに軸が移動してしまう。ギター、ベース、ドラムを中心に置き、それらを煽る役目が2本のテナー。この構成が傑作を生みだした。所有する輸入盤CDには、一切の解説無し。それでよし。黙って聴けと言う姿勢なのだ。

大半がパット・メセニーの作品であるが、オーネット・コールマンのアルバムTomorrow Is The Question!(1959年2月録音)に収録されたTurnaroundを演奏したことに注目。チャーリー・ヘイデンは、アルバムGolden Number(76年8月録音)でハンプトン・ホーズとのデュオの演奏。さらに、アルバムCharlie Haden - Jim Hall(90年7月録音)でジム・ホールとデュオ。コールマン自身もアルバムSound Grammar(2005年10月録音)で再演。ちなみに、ミシェル・ペトルチアーニがソロアルバム100 Hearts(1993年録音)で演じた。隠れたスタンダード曲と言えるだろう。

Disc 1
1. Two Folk Songs: 1st 2nd
2. 80/81
3. Tha Bat
4. Turnaround

Disc 2
1. Open
2. Pretty Scattered
3. Every Day (I Thank You)
4. Goin' Ahead

Dewey Redman - tenor saxophone
Michael Brecker - tenor saxophone
Pat Metheny - acoustic and electric guitars
Charlie Haden - acoustic bass
Jack DeJohnette - drums

Recorded on May 26, 27, 28 & 29, 1980 at Talent Studio, Oslo, Norway.