Paul Bley / Open, To Love

1983年10月に記された青木和富氏のライナーノーツ(LPとCDは同じ内容)。「このポール・ブレイのソロピアノの世界は、リリシズムの世界だが、ジャズピアノのリリシズムというと、何といってもひきあいにだされるのがビル・エバンスだ。けれど、うすいベールを通したような微妙な濃淡で語られるエバンスのリリシズムとは、このポール・ブレイのリリシズムの世界は基本的に違う。ブレイのそれは、あくまでもハードなタッチの一音一音で構成されるもので、その一音一音はもののかたちの表面をなぞるのではなく、表面をつき抜け、意識の内側に垂直にすべりおち、ある種の生理的な領域まで届く不思議なリリシズムの世界である」。

なるほど。そこまで聴き込んではこなかった。「意識の内側に垂直にすべりおち」という言葉が、まさしく肌に垂直に突き刺さる。聴きたいけど、聴く怖さがここにはある。

1. Closer
2. Ida Lupino
3. Started
4. Open, To Love
5. Harlem
6. Seven
7. Nothing Ever Was, Anyway

Paul Bley - piano

Recorded on September 11, 1972 at Arne Bendiksen Studio, Oslo.

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です