Ornette Coleman / At The Golden Circle Stockholm Vol.1

こんなにカッコいいジャズのジャケットは他に見当たらない。1965年12月のストックホルム。オーネット・コールマン、デビット・アイゼンソン、チャールス・モフェットの3人。CD化でVol.1とVol.2にそれぞれ3曲追加。ゴールデン・サークルでのライブはVol.1に12月3日、Vol.2に4日の演奏を中心にして収録していると思い込んでいたが、計6曲の追加で怪しくなった。そして、2日間の録音データをネットからようやく見つけ出すことができた。3日は金曜で夜のセットのみ、4日は午後と夜のセット。2枚のLPの4面にうまく収めるよう曲を配置したのだろう。ならば、2枚組CDにして再構成すべきだった。

December 3, night
・take 03 - Faces And Places / vol.1-6, alternate
・take 04 - Antiques / vol.2-4
・take 07 - The Riddle / vol.2-6, alternate
・take 08 - Morning Song / vol.2-2
・take 11 - Dawn / vol.1-5
December 4, afternoon
・take 15 - European Echoes / vol.1-3
・take 18 - Morning Song / vol.2-5, alternate
December 4, night
・take 25 - The Riddle / vol.2-3
・take 26 - Antiques / vol.2-4
・take 27 - Dee Dee / vol.1-4
・take 28 - Snowflakes And Sunshine / vol.2-1
・take 30 - Faces And Places / vol.1-2
・take 31 - European Echoes / vol.1-7, alternate
・take 32 - Doughnuts / vol.1-8, previously unreleased

1. Announcement
2. Faces And Places
3. European Echoes
4. Dee Dee
5. Dawn
6. Faces And Places [alternate take]
7. European Echoes [alternate take]
8. Doughnuts [previously unreleased]

Ornette Coleman - alto saxophone
David Izenzon - bass
Charles Moffett - drums

Recorded on December 3 & 4, 1965 at Golden Circle, Stockholm.

Ornette Coleman / An Evening With Ornette Coleman

コールマンは、1962年12月のタウンホールでの演奏を終え、その後姿を消した。ロリンズのように、新たな方向性を見いだすために隠遁生活を送っていたのではない。単純に仕事が来なかったため。そして、65年1月にビレッジ・バンガードへの出演、映画『チャパカ』の音楽制作依頼が入り、復活の機会を得た。この空白の期間に、トランペットとヴァイオリンの練習に励んだらしい。その成果がこのライブで披露されている。

ライブは、イギリスの代表的室内楽団であるヴァーチュオーゾ・アンサンブルの演奏から始まる。これは、当時の面倒な規約によるものだった。しかしながら、違和感がほとんどなく、コールマン・トリオへと続いている。コールマン復活となったライブ演奏。1965年8月のイギリスでの公演に続き、11月にパリ、そしてストックホルムで演奏。アルバムAt The Golden Circle Stockholm Vol.1 & 2が、本アルバムより早く世に出たため、大いに脚光を浴びることになった。

Disc 1
1. Sounds And Forms For Wind Quintet
2. Sadness
3. Clergyman's Dream

Disc 2
1. Falling Stars
2. Silence
3. Happy Fool
4. Ballad
5. Doughnuts

Ornette Coleman - alto saxophone, violin & trumpet (disc 2, track 1)
David Izenzon - bass
Charles Moffett - drums

Virtuoso Ensemble (disc 1, track 1)
Edward Walker - flute / Derek Wickers - oboe / John Burden - English horn
Cecil James - bassoon / Sidney Fell - clarinet

Recorded on August 29, 1965 at Fairfield Halls, Croydon, London.

Ornette Coleman / Chappaqua Suite

映画『チャパカ』で使われるはずだった。だが、採用されなかった。その真相はどうも良く分からない。この80分に渡る組曲を改めて聴くと、完全にコールマンの世界。音楽を映像へつなげるような大胆な静と動のパターンがあまりなく、映画に使うことは難しかったのだと想像できる。ではなぜに、コールマンに依頼したのか。ボツになったコールマンはどう受け止めたのか。もう56年前の出来事である。

Wikipediaにそのヒントがあるのではと調べたところ、「映画監督Conrad Rooks(コンラッド・ルークス)は、コールマンの音楽を聞いて、その固有の美しさが映画の力を損なう可能性があると判断し使用しなかった」とあった。そもそも、ルークスはコールマンの音楽を理解していなかったのだ。結果的に、3日間のセッションで17分から21分の演奏時間による4部作の組曲になったが、明らかに2枚組LPでリリースするために編集されている。Part 1はフェイドアウト、Part 2と3は演奏を途中で区切り、Part 4はあっさりとした幕切れ。つまり、コールマンは「組曲」を演じたのではなく、プロデューサーがアルバムに詰め込んだということ。「チャパカ組曲」ではなく「チャパカ詰曲」。

1. Chappaqua Suite, Part 1
2. Chappaqua Suite, Part 2
3. Chappaqua Suite, Part 3
4. Chappaqua Suite, Part 4

Ornette Coleman - alto saxophone
Pharoah Sanders - tenor saxophone
David Izenzon - bass
Charles Moffett - drums
Orchestra arranged by Joseph Tekula

Recorded on June 15, 16 & 17, 1965 in NYC.