Ornette Coleman / Town Hall 1962

ドン・チェリー、チャーリー・ヘイデン、エド・ブラックウェルなどのメンバーを一新。ベースにデヴィッド・アイゼンゾン、ドラムにチャールズ・モフェットを迎えた新生コールマン・トリオのお披露目コンサート。1962年12月のタウンホールでのライブであるが、このアルバムにはコールマン抜きの弦楽器カルテットの1曲が含まれている。全4曲がコールマンの作品なので、コンサートに弦楽器カルテットを組入れたのはコールマン自身の企画だったのだろう。しかし、ちょっと無理があったような気がする。それは観客の拍手からうかがい知れる。

タウンホールは1921年1月にオープン。自分が所有するアルバムで、タイトルにTown Hallが入っているものを録音順に調べてみた(括弧内の年月は追記)。Town Hallは入っていないが、キース・ジャレットのアルバムThe Cureは1990年4月のタウンホールでのライブ。なお、LPのジャケットはコールマンを描いたスケッチだったが、CDではコールマンの写真に変わっている。

Louis Armstrong / The Complete Town Hall Concert (May 1947)
Thelonious Monk / The Thelonious Monk Orchestra At Town Hall (February 1959)
Charles Mingus / The 1962 Town Hall Concert (October 1962)
Ornette Coleman / Town Hall 1962 (December 1962)
Charles Mingus / Town Hall Concert 1964 (April 1964)
Bill Evans / Bill Evans At Town Hall (February 1966)
Anthony Braxton / Town Hall 1972 (May 1972)

* * *
1. Doughnut
2. Sadness
3. Dedication To Poets And Writers
4. The Ark

Tracks 1, 2 & 4
Ornette Coleman - alto saxophone, trumpet, violin
David Izenzon - bass
Charles Moffett - drums

Track 3
Selwart Clarke, Nathan Goldstein - violin
Julian Barber - viola
Kermit Moore - cello

Recorded on December 21, 1962 at The Town Hall, NYC.

Ornette Coleman / The Art Of The Improvisers

5枚のオリジナルLP発売時に、収録時間の関係で取りこぼされた貴重な名演を集めた拾遺集。1959年5月から61年3月までの5回のセッションにより構成。発売は録音から約10年後の70年11月。

タイトルThe Art Of The Improvisersの邦題は『即興詩人の芸術』。目くじら立てて文句を言うつもりはないが、コールマンが「詩人」とは到底思えない。コールマンの根底にあるのは「躍動するリズム」であり、他を寄せ付けないオリジナリティにある。自分ならば「即興芸人」としたい。

1. The Circle With A Hole In The Middle
2. Just For You
3. The Fifth Of Beethoven
4. The Alchemy Of Scott LaFaro
5. Moon Inhabitants
6. The Legends Of Bebop
7. Harlem's Manhattan

Ornette Coleman - alto saxophone, tenor saxophone (track 7)
Don Cherry - pocket trumpet, cornet (track 2)
Charlie Haden - bass (tracks 1-3,5,6)
Scott LaFaro - bass (track 4)
Jimmy Garrison - bass (track 7)
Billy Higgins - drums (tracks 1,2)
Ed Blackwell - drums (tracks 3-7)

Track 1 (from "Change Of The Century")
Recorded on October 9, 1959 in NYC.

Track 2 (from "The Shape Of Jazz To Come")
Recorded on May 22, 1959 in Los Angeles, CA.

Tracks 3, 5 & 6 (from "This Is Our Music")
Recorded on July 26, 1960 in NYC.

Track 4 (from "Ornette!")
Recorded on January 31, 1961 in NYC.

Track 7 (from "Ornette On Tenor")
Recorded on March 27, 1961 in NYC.

Released on November 2, 1970.

Ornette Coleman / Ornette On Tenor

CD帯から。「ジャズの革命児オーネット・コールマンが、テナーサックスを吹いている異色の1枚である。アルトではなくテナーを手にしたからといって、オーネットのアブストラクトな魅力は変わらない。同時に、ここではテナーサックスに特有のアーシーな響きが、オーネット独自の表現に生かされているのがじつに興味深いところ。オーネットのアトランティック時代の最後を飾る、興味のつきないリーダーセッションである」。

結局のところ、どうしてコールマンがテナーを持ったのかが書かれていない。ライナーノーツでも、後藤誠氏が3つの仮説を立てているものの、どれも納得性に欠ける。さらに、帯では「アトランティック時代の最後を飾る」とあるが、要するにアトランティックに見放された訳である。1962年12月のタウンホールでの演奏を最後にコールマンは2年間姿を消した。つまり、仕事が来なかったのである。ということで、アルトを質に入れ、友人からテナーを借りたというのが自説。

1. Cross Breeding
2. Mapa
3. Enfant
4. Eos
5. Ecars

Ornette Coleman - tenor saxophone
Don Cherry - pocket trumpet
Jimmy Garrison - bass
Ed Blackwell - drums

Recorded on March 22 (track 4) & 27 (tracks 1, 2 3 & 5), 1961 in NYC.