Ornette Coleman / Chappaqua Suite

映画『チャパカ』で使われるはずだった。だが、採用されなかった。その真相はどうも良く分からない。この80分に渡る組曲を改めて聴くと、完全にコールマンの世界。音楽を映像へつなげるような大胆な静と動のパターンがあまりなく、映画に使うことは難しかったのだと想像できる。ではなぜに、コールマンに依頼したのか。ボツになったコールマンはどう受け止めたのか。もう56年前の出来事である。

Wikipediaにそのヒントがあるのではと調べたところ、「映画監督Conrad Rooks(コンラッド・ルークス)は、コールマンの音楽を聞いて、その固有の美しさが映画の力を損なう可能性があると判断し使用しなかった」とあった。そもそも、ルークスはコールマンの音楽を理解していなかったのだ。結果的に、3日間のセッションで17分から21分の演奏時間による4部作の組曲になったが、明らかに2枚組LPでリリースするために編集されている。Part 1はフェイドアウト、Part 2と3は演奏を途中で区切り、Part 4はあっさりとした幕切れ。つまり、コールマンは「組曲」を演じたのではなく、プロデューサーがアルバムに詰め込んだということ。「チャパカ組曲」ではなく「チャパカ詰曲」。

1. Chappaqua Suite, Part 1
2. Chappaqua Suite, Part 2
3. Chappaqua Suite, Part 3
4. Chappaqua Suite, Part 4

Ornette Coleman - alto saxophone
Pharoah Sanders - tenor saxophone
David Izenzon - bass
Charles Moffett - drums
Orchestra arranged by Joseph Tekula

Recorded on June 15, 16 & 17, 1965 in NYC.

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