Ornette Coleman / Love Call

アルバムNew York Is Now! Vol.1と同日の録音。かといって別テイク集ではない。さらに、Vol.2という位置づけでもない。New York Is Now!をVol.1としたのは、改めてVol.2用のセッションを考えていたらしいのだ。アルバムLove Callは1968年にリリースされているので、ブルーノートが録音テープを仕舞い込んでいた訳でもない。本来ならば、New York Is Now!を2枚組で出すべきだったのだ。

だが、コールマン・ファンは素晴らしいジャケットを手にすることができた。所有アルバムの中で、黒人女性をこんなにも躍動感のある形で表現したのは唯一かも知れない。もう、それだけ充分である。

1. Airborne
2. Check Out Time
3. Check Out Time [alternate take]
4. Open To The Public
5. Love Call
6. Love Call [alternate take]
7. Just For You

Ornette Coleman - alto saxophone, trumpet
Dewey Redman - tenor saxophone
Jimmy Garrison - bass
Elvin Jones - drums

Tracks 1, 3, 4 & 6
Recorded on April 29, 1968 at A&R Studios, NYC.
Tracks 2, 5 & 7
Recorded on May 7, 1968 at A&R Studios, NYC.

Ornette Coleman / New York Is Now! Vol.1

コールマンとエルビンの最初で最後のセッション。そこに立ち会ったのは、ジミー・ギャリソンとデューイ・レッドマン。プロデューサーはFrancis Wolff(フランシス・ウルフ)。エルビンの起用は、コールマンの要望だったのか、それともウルフの提案だったのか。いずれにしても、二人のやりとりがアルバム全体の推進力。ギャリソンとレッドマンが二人に煽られ、ときに二人を煽る。全編コールマン・ミュージックではあるものの、「エルビン風味のコールマン・ミュージック」と言ったところだろうか。

3曲目はちょっとしたジョーク。コールマンのバイオリンを遮るように、ブルーノートの営業部長メル・ファーマンが演じるアナウンサーのコマーシャルが入る。なお、Vol.1とタイトルされているが、結局のところVol.2の録音には至らなかった。だが、このアルバムに収録されなかった同日の演奏がアルバムLove Callとしてリリースされたので、Vol.2 = Love Callということになる。

1. The Garden Of Souls
2. Toy Dance
3. We Now Interrupt For A Commercial
4. Broad Way Blues
5. Round Trip
6. Broad Way Blues [alternate take]

Ornette Coleman - alto saxophone (except track 3), violin (track 3)
Dewey Redman - tenor saxophone
Jimmy Garrison - bass
Elvin Jones - drums
Mel Fuhrman - announce (track 3)

Tracks 1, 2, 3 & 6
Recorded on April 29, 1968 at A&R Studios, NYC.
Tracks 4 & 5
Recorded on May 7, 1968 at A&R Studios, NYC.

Ornette Coleman / The Empty Foxhole

チャーリー・ヘイデンは、このアルバムへの参加にどうして承諾したのだろう。ドラムは、オーネット・コールマンの息子デナード・コールマン。当時はまだ10歳。コールマンは36歳、ヘイデンは29歳。ピアノレスのトリオであれば、ベースの役割は非常に重要。司令塔はヘイデンであって、その指揮下にある10歳のデナードが曲想を理解して太鼓を叩けるはずがない。それは年齢の問題ではなく、経験、つまり場数の話。さらに、その二人を土台にしてコールマンが自由な発想でジャズを演じることができたのか。

で、ふと思った。タイトルのThe Empty Foxholeは、何かのことわざではないだろうかと。検索してみたが、まったくヒットせず。空っぽのキツネの穴・・・。キツネの生態を思い出した。巣穴を掘って子育てをし、子ギツネが成長すれば巣穴は放棄してしまうことを。コールマンは息子の成長を記念してアルバムに残そうとしたのだ。コールマンからそう頼まれたヘイデンは断れなかった。

1. Good Old Days
2. The Empty Foxhole
3. Sound Gravitation
4. Freeway Express
5. Faithful
6. Zig Zag

Ornette Coleman - alto saxophone (tracks 1,5,6), trumpet (tracks 2,4), violin (track 3)
Charlie Haden - bass
Denardo Coleman - drums

Recorded on September 9, 1966 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.