Ornette Coleman / Paris Concert

日本国内のみで発売された2枚組LP。悠雅彦氏の1977年2月6日付けのライナーノーツには、次のことが書かれている。「75年5月にトリオ・レコードのディレクターと共にコールマン宅を訪ねた。トリオの目的は、オーネット自身が所有する未発表テープの販売権獲得。その交渉の結果として生まれたのが本作なのだが、承諾を得た音源とは異なるテープが送られてきた。資料不足で詳細は分からず、はっきりしているのはメンバー構成のほか、1971年にパリで行われたコンサートの実況録音ということ」。

ただし、最後の曲All Day Affairでは、デューイ・レッドマンが参加していない。しかも、悠氏も書いているように、コールマンが何度か演奏してきたDoughnutsと酷似している。この曲を収録している3枚のアルバムTown Hall 1962, An Evening With Ornette Coleman, At The Golden Circle, Stockholm Vol.1と聴き比べたら、本作での演奏メンバーはDavid Izenzon(デヴィッド・アイゼンゾン)とCharles Moffett(チャールズ・モッフェット)のようだ。正確なデータによるCD化を望んでいるだが…。

1. Second Fiction
2. Summer-Thang
3. Silhouette
4. 14 Juillet
5. Fantasy 77
6. Reminiscence
7. All Day Affair

Ornette Coleman - alto saxophone, trumpet, violin
Dewey Redman - tenor saxophone, oboe musette
Charlie Haden - bass
Ed Blackwell - drums

Recorded in November 1971 in Paris.

Ornette Coleman / Science Fiction

最近、このアルバムの存在を知った。コールマンのディスコグラフィーを詳細に調べたことがなかったので、縁が無かったのだろう。中古CDを見つけて、すぐに注文。入手後、立て続けに数回聴いた。3回のセッションで構成され、曲に応じてメンバーを入れ替えている。前作Friends and Neighborsの録音は1970年2月なので、約1年半かけて本アルバムの構想を練っていたのだろう。アルバム全体が、一つの組曲のようにも感じる。

全曲に参加しているのは、コールマンを除いてチャーリー・ヘイデンのみ。ヘイデンのベースに酔いしれるアルバムでもある。注目すべきはタイトル曲。David Hendersonによる詩の朗読と赤ん坊の泣き声?をフリー的な演奏にかぶせている。このHendersonという人物が何者なのか?そして、どういう詩の内容なのか?赤ん坊の泣き声の意味は?残念ながら、1997年12月付けでライナーノーツを担当した青木和富氏は何も語っていない。明らかに手抜きだ。

1. What Reason Could I Give?
2. Civilization Day
3. Street Woman
4. Science Fiction
5. Rock The Clock
6. All My Life
7. Law Years
8. The Jungle Is A Skyscraper

Ornette Coleman - alto saxophone, trumpet, violin
Don Cherry - pocket trumpet (tracks 2-4)
Bobby Bradford - trumpet (tracks 4,7,8)
Carmine Fornarotto - trumpet (tracks 1,6)
Gerard Schwarz - trumpet (tracks 1,6)
Dewey Redman - tenor saxophone, musette (tracks 1,4-8)
Charlie Haden - bass
Billy Higgins - drums (tracks 1-4,6)
Ed Blackwell - drums (tracks 1,4-8)
David Henderson - recitation (track 4)
Asha Puthli - vocals (tracks 1,6)

Tracks 2, 3, 7 & 8
Recorded on September 9, 1971 at Columbia Studio E, NYC.

Track 4
Recorded on September 10, 1971 at Columbia Studio E, NYC.

Tracks 1, 5 & 6
Recorded on October 13, 1971 at Columbia Studio E, NYC.

Ornette Coleman / Friends and Neighbors

このレコードは、1970年2月14日(土)の夜、プリンストン通り131番、オーネット・コールマンの練習場に、友人や近所の人を招いて催されたセッションの録音である。ファラオ・サンダースとレオン・トーマスの顔がみえる。名アレンジャー、ギル・エバンスもいる(以上、LPでの油井正一氏の解説から抜粋)。一方、CDのライナーノーツで、原田和典氏はこう書いている(2017年9月付け)。オリジナル・アナログ盤の内ジャケットにはギル・エバンスやファラオ・サンダースらしき人物を捉えた写真が掲載されているが、彼らが訪ねた時のライブと当アルバムに収められている演奏が同じ時のものであるかどうか定かでない。

この「定かではない」という表現は逃げている。「調べ尽くしたが特定できなかった」ならば納得がいく。同業者を招いてのセッションであれば、完成度の高い演奏を披露したいと考えるだろう。そうでなければ、一つのプロセスを示すだけでも十分である。で、中身はコールマン、ヘイデン、レッドマン、ブラックウェルの4人の息の合った見事な演奏。緊張感と、ある種のアットホーム的な感じがうかがえる。エバンスたちの視線があったからこその演奏だったと思いたい。

1. Friends And Neighbors - Vocal
2. Friends And Neighbors - Instrumental
3. Long Time No See
4. Let's Play
5. Forgotten Songs
6. Tomorrow

Ornette Coleman - alto saxophone, trumpet, violin
Dewey Redman - tenor saxophone, clarinet
Charlie Haden - bass
Ed Blackwell - drums
unknown - vocals

Recorded on February 14, 1970 at Prince Street, NYC.