チャーリー・ヘイデンは、このアルバムへの参加にどうして承諾したのだろう。ドラムは、オーネット・コールマンの息子デナード・コールマン。当時はまだ10歳。コールマンは36歳、ヘイデンは29歳。ピアノレスのトリオであれば、ベースの役割は非常に重要。司令塔はヘイデンであって、その指揮下にある10歳のデナードが曲想を理解して太鼓を叩けるはずがない。それは年齢の問題ではなく、経験、つまり場数の話。さらに、その二人を土台にしてコールマンが自由な発想でジャズを演じることができたのか。
で、ふと思った。タイトルのThe Empty Foxholeは、何かのことわざではないだろうかと。検索してみたが、まったくヒットせず。空っぽのキツネの穴・・・。キツネの生態を思い出した。巣穴を掘って子育てをし、子ギツネが成長すれば巣穴は放棄してしまうことを。コールマンは息子の成長を記念してアルバムに残そうとしたのだ。コールマンからそう頼まれたヘイデンは断れなかった。
1. Good Old Days
2. The Empty Foxhole
3. Sound Gravitation
4. Freeway Express
5. Faithful
6. Zig Zag
Ornette Coleman - alto saxophone (tracks 1,5,6), trumpet (tracks 2,4), violin (track 3)
Charlie Haden - bass
Denardo Coleman - drums
Recorded on September 9, 1966 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.