Ornette Coleman / Body Meta

このアルバムを聴くと、ソリッドなリズムの中をオーネット・コールマンがアルトサックスで放浪しているようだ。その奇妙な感覚が、聴き手を揺さぶり酔わせる。所有していたLPには、コールマンの短いエッセイが掲載されていた。タイトルはConversation For a Songで、原文は掲載されておらず、にしかわ・としゆき氏による訳のみ。かなり難解な表現になっていて、同氏も苦労したと思われる。「知るべきでないことはしてはいけないことを見付けることだ」と始まる。

本作は、コールマンを含めた5人による渾然一体とした音楽に耳を傾けるべきであるが、時にはコールマンを、時にはギターを中心に聴いて見ると新たな発見がある。だが、一番はシャノン・ジャクソンのドラム。ジャクソンが繰り出すリズムに、本作の真髄があると思うのだ。なお、本作は全てコールマンの作品で、ライナーノーツには4曲目Fou Amorの楽譜も載っている。しっかり書き込まれているようだが、どれだけの規則があり、どんな自由度があるのか読み取ることはできない。

1. Voice Poetry
2. Home Grown
3. Macho Woman
4. Fou Amor
5. European Echoes

Ornette Coleman - alto saxophone
Bern Nix - guitar
Charlie Ellerbie - guitar
Jamaaladeen Tacuma - bass
Ronald Shannon Jackson - drums

Recorded on December 19, 1976 in Paris.

Ornette Coleman / Broken Shadows

1971年9月と72年9月の未発表となった演奏を集めたアルバム。前半はアルバムScience Fictionに載らなかった演奏であり、後半はボーカルをセットしたにもかかわらずアルバム化はならなかった。コンセプトの全く異なる2つのセッションを1つにしたアルバム。

興味深いのは72年9月のセッション。ボーカルはジャズ界では無名のウェブスター・アームストロング、ギターがジム・ホールで、ピアノがシダー・ウォルトン。なぜに、コールマンはこういうメンバーを集めたのか。2つのセッションの全曲に参加しているのは、コールマン以外ではチャーリー・ヘイデンのみ。ヘイデンのネットワークで成立したセッションだったのかも知れない。そんな疑問が残るアルバムではあるが、ジャケットは見事に決まっている。

1. Happy House
2. Elizabeth
3. School Work
4. Country Town Blues
5. Broken Shadows
6. Rubber Gloves
7. Good Girl Blues
8. Is It Forever

Ornette Coleman - alto saxophone, trumpet, violin
Don Cherry - pocket trumpet (tracks 1,2,4,5)
Bobby Bradford - trumpet (tracks 1-3,4)
Dewey Redman - tenor saxophone, musette (tracks 1-3,5-8)
Jim Hall - guitar (tracks 7,8)
Cedar Walton - piano (tracks 7,8)
Charlie Haden - bass
Billy Higgins - drums (tracks 1,2,4,5)
Ed Blackwell - drums (tracks 1-3,5-8)
Webster Armstrong - vocals (tracks 7,8)

Tracks 1 - 5
Recorded on September 9, 1971 at Columbia Studio E, NYC.

Tracks 7 & 8
Recorded on September 7 & 8, 1972 at Columbia Studio E, NYC.

Ornette Coleman / Skies Of America

オーネット・コールマンが、ロンドン交響楽団とアビー・ロード・スタジオで録音したアルバム。全21曲から構成される組曲であるが、コールマンは7曲でしかアルトサックスを吹いていない。つまり、ジャズミュージシャンとしてのコールマンを聴くのではなく、作曲家コールマンを聴くアルバム。

本来ならば、当時のコールマン・グループのメンバー(デューイ・レッドマン、チャーリー・ヘイデン、エド・ブラックウェル)が参加する予定であったが、英国のミュージシャン組合規則によって妨げられてしまった。そもそも、組曲『アメリカの空』をロンドンで録音することに無理があったような気がする。星条旗から赤、青、白の鳥が飛びだっていくジャケット。本作の録音を終えても、コールマン自身は舞い上がる気持ちにはなれなかっただろう。

1. Skies Of America
2. Native Americans
3. The Good Life
4. Birthdays And Funerals
5. Dreams
6. Sounds Of Sculpture
7. Holiday For Heroes
8. All Of My Life
9. Dancers
10. The Soul Within Woman
11. The Artists In America
12. The New Anthem
13. Place In Space
14. Foreigner In A Free Land
15. Silver Screen
16. Poetry
17. The Men Who Live In The White House
18. Love Life
19. The Military
20. Jam Session
21. Sunday In America

Ornette Coleman - alto saxophone (tracks 11,14-18,20)
London Symphony Orchestra - instruments
David Measham - conductor

Recorded on April 17, 18, 19 & 20, 1972 at Abbey Road Studios, London.