Lee Morgan / The Procrastinator

マイケル・カスクーナによって発掘された音源。1978年に、アメリカでは2枚組LP、国内では67年のセッションのみを収録したシングルLPがリリース。さらに、95年に67年セッションのCDがアメリカでリリース。98年の国内盤CDによって2枚組LP分が収録された。これらのアルバムはジャケットすべて異なり、混乱させられる。しかも、アルバムSonic BoomのアメリカでのCD再発の際に、69年のセッションが追加され、このCDを持っているので音源が重複してしまった。

日本人にとって問題なのはタイトルのProcrastinator(プロクラスティネイター)。極めて発音が難しく、聴き慣れない単語。調べたところ、「仕事を(特になまけたり、生来無頓着だったりで)後回しにする人」という意味だそうだ。

1. The Procrastinator
2. Party Time
3. Dear Sir
4. Stopstart
5. Rio
6. Soft Touch
7. Free Flow
8. Stormy Weather
9. Mr. Johnson
10. The Stroker
11. Uncle Rough
12. Claw-Til-Da
13. Untitled Boogaloo

Tracks 1 - 6
Lee Morgan - trumpet
Wayne Shorter - tenor saxophone
Bobby Hutcherson - vibraphone
Herbie Hancock - piano
Ron Carter - bass
Billy Higgins - drums
Recorded on July 14, 1967 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.

Tracks 7 - 13
Lee Morgan - trumpet
George Coleman - tenor saxophone
Julian Priester - trombone
Harold Mabern - piano
Walter Booker - bass
Mickey Roker - drums
Recorded on September 12 (tracks 8, 9 & 13) and October 10 (tracks 7, 10-12), 1969 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.

Lee Morgan / Cornbread

ジャケット裏面で、アイラ・ギトラーがリー・モーガンの一連の作品について、3枚のジャケットの写真を載せながらライナーノーツを書いている。しかし、英文と言うこともあるが、小さくて読めない。想像するに、The Sidewinderで頂点に立ち、Search For The New Landでモードに挑み、The Rumprollerで「月の砂漠」を取り入れた。それに続く作品。

結局のところ、モーガンに一番いい居場所は、このアルバムにあったのだと思う。コマーシャルリズムに傾くこともなく、ましてや無理にモードに走らず、さらには奇をてらった楽曲に手を出さず、自分が落ち着くフォー・ビートで深化していくこと。そんな思いが込められたアルバム。ハンク・モブレー、ジャッキー・マクリーン、ハービー・ハンコックたちに囲まれて、モーガンにとっては気持ちが引き締まり、カリッと焼き上がったCornbread(とうもろこしパン)のようなセッションだったのだろう。

1. Cornbread
2. Our Man Higgins
3. Ceora
4. Ill Wind
5. Most Like Lee

Lee Morgan - trumpet
Hank Mobley - tenor saxophone
Jackie McLean - alto saxophone
Herbie Hancock - piano
Larry Ridley - bass
Billy Higgins - drums

Recorded on September 18, 1965 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.

Lee Morgan / The Gigolo

1965年6月25日と7月1日の2回のセッションで構成されたアルバム。だが、25日はウェイン・ショーター作Trappedの1曲のみしか録音されていない。残り全てが6日後の録音。Trappedが20分を超えるような大作なら理解できるが、6分足らずの作品である。しかも、リー・モーガンのディスコグラフィーを見ると3テイクで終わっている。

モーガンは、本作の録音に際して新作3曲"Yes I Can, No You Can't", "Speedball", "The Gigolo"を持ち込んだものの、まだ納得できていなかったと想像できる。スタジオと参加ミュージシャンのスケジュールは予め2日間押さえられていたので、その間にもう一度ペンを執ったのだろう。その結果、アグレッシブなアルバムに仕上がった。急いては事を仕損じる、なのだ。

1. Yes I Can, No You Can't
2. Trapped
3. Speedball
4. The Gigolo
5. You Go To My Head
6. The Gigolo [alternate take]

Lee Morgan - trumpet
Wayne Shorter - tenor saxophone
Harold Mabern - piano
Bob Cranshaw - bass
Billy Higgins - drums

Tracks 1 & 3 - 6
Recorded on July 1, 1965 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.

Track 2
Recorded on June 25, 1965 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.