Lester Bowie / Numbers 1&2

AEOC - Art Ensemble Of ChicagoのファーストアルバムA Jackson In Your Houseが録音されたのは1969年6月。それに先立つ2年前の67年8月、AEOCの中心メンバーとなったレスター・ボウイによるポスト・フリーと言える作品。どこを起点にポストと呼ぶかは、様々な意見があるだろう。一つの解はコルトレーンの命日。67年7月17日とできると思う。そうであれば、このアルバムは、ポスト・フリーの第一弾とも言える。

では、「フリージャズ」の定義は?これはかなり難しい。フリーを「自由」と捉えてしまうと、フリージャズ以外は「不自由」となってしまう。フリーを「解放」とするとどうだろう。これも、しっくりこない。ということで、このアルバムをどう位置づけるかは、聴き手のフリーなのである。

1. Number 1
2. Number 2 quartet version take 6
3. Number 2 quartet version take 7

Lester Bowie - trumpet, flugelhorn, steer horn, kelp horn
Roscoe Mitchell- alto saxophone, soprano saxophone, flute, recorder, gourd, bells, gong
Malachi Favors - bass, kazoo
Joseph Jarman - alto saxophone, soprano saxophone, clarinet, bassoon, bells (tracks 2,3)

Recorded on August 11 & 25, 1967 at Sound Studios.

Leo Parker / Rollin' With Leo

バリトンサックスと言えば、Gerry Mulligan(ジェリー・マリガン)とPepper Adams(ペッパー・アダムス)の二人。そして、忘れてならないのはレオ・パーカー。スイングジャーナル1976年4月臨時増刊『世界ジャズ人名辞典』には、こう記載されている。「48年以降は病気で目立った活躍をしていなかったが、60年代の初頭に、本格的な再起をとげた矢先、惜しくも急死した」。病気とは肺炎で、死因は心臓麻痺だったようだ。

このアルバムの録音は1961年10月。レオ・パーカーが他界したのが1962年2月で36歳。そして、アルバムのリリースは1980年。さらに、オリジナルのジャケットでのリリースは1986年まで時間を要した。つまり、録音から、当初の構想による販売までは四半世紀を待たねばならなかったということ。当人にとってみれば無念さが残るだろうが、それでも世に出されて、しかも再発されたことはある種の喜びであると信じたい。それよりも気になるのは、死の4ヶ月前にこんなブルージーなアルバムを録音できたこと。ジャズという音楽が本来持っているポテンシャルを気付かせてくれる。

1. The Lion's Roar
2. Bad Girl
3. Rollin' With Leo
4. Music Hall Beat
5. Jumpin' Leo
6. Talkin' The Blues
7. Stuffy
8. Mad Lad Returns

Leo Parker - baritone saxophone
Bill Swindell - tenor saxophone
Dave Burns - trumpet
John Acea - piano
Al Lucas - bass (tracks 1,2,5-8)
Wilbert Hogan - drums (tracks 1,2,5-8)
Stan Conover - bass (tracks 3,4)
Purnell Rice - drums (tracks 3,4)

Recorded on October 12 & 20, 1961 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.

Lennie Tristano / Lennie Tristano

CDの帯から。『独自の理論とともに知的な構築をもつ音楽を創造していったレニー・トリスターノ。そんなトリスターノの究極の探究心が、この1枚のアルバムに凝縮されている。テープ・スピードを変えた上に自身のピアノをかぶせた「ライン・アップ」「東32丁目」。ピアノの多重録音による「レクイエム」と「ターキッシュ・マンボ」。徹底的にコマーシャリズムを排したレニー・トリスターノのひたむきな姿が大きな感動を呼ぶ名盤』。

大半はその通りなのだが、文末の「ひたむきな姿」というのが怪しい。かなり計算して売れるアルバムを狙ったのではないだろうか。トリスターノのジャケットの表情に騙されていないか。邦題を『鬼才トリスターノ』としたのも仕組まれた感じがしてしまう。でも、名盤であることは間違いない。いや、アルバムの後半はライブ演奏を収録しているので迷盤のほうが適切だろう。

1. Line Up
2. Requiem
3. Turkish Mambo
4. East Thirty-Second
5. These Foolish Things
6. You Go To My Head
7. If I Had You
8. Ghost Of A Chance
9. All The Things You Are

Tracks 1 - 4
Lennie Tristano - piano
Peter Ind - bass (tracks 1,4)
Jeff Morton - drums (tracks 1,4)
Recorded in 1954 - 1955 at Lennie Tristano's home studio, NYC.

Tracks 5 - 9
Lee Konitz - alto saxophone
Lennie Tristano - piano
Gene Ramey - bass
Art Taylor - drums
Recorded on June 11, 1955 at The Sing-Song Room, Confucius Restaurant, NYC.