Johnny Griffin / The Little Giant

ジョニー・グリフィンのニックネームがLittle Giantであることは、昔から知っていた。だけども、グリフィンの身長を書いた記事に出会ったことはなく、改めてスイングジャーナル『世界ジャズ人名辞典』を見ても、そしてWikipediaで調べても、その表記はなかった。しかし、このアルバムの裏面にある英文ライナーノーツでようやく探し出すことができ、Johnny Griffin doesn't reach to more than five and a half feet.とあったのだ。5.5 x 30.48 = 167.64cmには届かないということ。日本人なら決して小柄ではないのだ。

CD帯には「ケリー・トリオをバックにミッチェル、プリースターと共に、熱気漲る圧倒的なブローイングで迫るグリフィンの代表傑作」とある。その通りだが、単なるジャムセッションではない。フロント3管の息の合ったアンサンブルが聴き所のアルバム。ジャケット裏には、その3人が並んだスタジオでの演奏中の小さな写真も掲載されている。真ん中にいるグリフィンは確かに小柄だが、左右にミッチェルとプリースターを従え、貫禄十分のまさしくGiantなのである。

1. Olive Refractions
2. Message
3. Lonely One
4. 63rd Street Theme
5. Playmates
6. Venus And The Moon

Johnny Griffin - tenor saxophone
Blue Mitchell - trumpet (except track 3)
Julian Priester - trombone (except track 3)
Wynton Kelly - piano (except track 3)
Sam Jones - bass
Albert Heath - drums

Recorded on August 4 & 5, 1959 at Reeves Sound Studio, NYC.

Johnny Griffin / Way Out!

まとまりの良いアルバム。それだけに少しだけ物足りなさを感じてしまう部分もある。全6曲の中で、スピード感があるのがCherokee(チェロキー)。この曲は、ジョニー・グリフィンの記念すべき初リーダーアルバムIntroducing Johnny Griffinでも演奏している。2年前のその時の録音では、豪快さと粗削りが同居していた。本作では、角が取れて円熟味さえ感じる。

そんな意味でグリフィンの成長をうかがえるアルバム。しかしながら、タイトルとジャケットが何を伝えようとしているのかが不明で、グリフィンのアルバムの中では、マイナーな存在になっている。

1. Where's Your Overcoat, Boy?
2. Hot Sausage
3. Sunny Monday
4. Cherokee
5. Teri's Tune
6. Little John

Johnny Griffin - tenor saxophone
Kenny Drew - piano
Wilbur Ware - bass
Philly Joe Jones - drums

Recorded on February 26 & 27, 1958 in NYC.

Johnny Griffin / The Congregation

congregationとは、信徒とか集会の意味。宗教的な用語らしい。だからと言って、演奏が何か宗教染みた内容になっている訳ではない。ジョニー・グリフィンは、自己を解き放つような演奏に徹している。ジャケットのイラストが、そんな雰囲気を醸し出している

グリフィンを支えているのが、ソニー・クラークのピアノ。グリフィンのディスコグラフィーによると、この二人の共演は本作のみ。そして、ポール・チェンバースのアルコが随所に見られ、1950年代後半のジャズを浮き上がらせる。

1. The Congregation
2. Latin Quarter
3. I'm Glad There Is You
4. Main Spring
5. It's You Or No One
6. I Remember You

Johnny Griffin - tenor saxophone
Sonny Clark - piano
Paul Chambers - bass
Kenny Dennis - drums

Recorded on October 23, 1957 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.