Johnny Griffin / Night Lady

2015年7月末、青春18きっぷで一週間の「ジャズ&復興の旅」へ出た。旅の最終盤は盛岡。ジャズバー『パノニカ』に入って、まずはビールを飲んでいたら、店主から質問。「好きなプレイヤーは誰ですか?」「最近は、ジョニー・グリフィンかなぁ」「ええ、私もですよ!」「彼は、まさしくリトル・ジャイアントですよね」。こんな些細な会話で、カウンターの中と外が一つになる。

1964年2月にドイツ・ケルンで録音されたアルバム。グリフィンのディスコグラフィーを見ると、63年10月からはヨーロッパでの録音が続く。Wikipediaには、63年にはフランスへ、78年にはオランダへと移住とあった。このアルバムは、2曲目のSummertimeが聴きどころの一つ。原曲に変なひねりを入れず、ストレートに吹いていて、グリフィンの歌心溢れるサックスが十二分に伝わってくる。ちなみに、写真は7月30日に訪問した盛岡・パノニカの店内。開店直後の時間帯で、お客さんはまだ少なくNight Ladyは写っていない。

1. Scrabble
2. Summertime
3. Old Stuff
4. Night Lady
5. Little Man You've Had A Busy Day
6. All The Things You Are

Johnny Griffin - tenor saxophone
Francy Boland - piano
Jimmy Woode - bass
Kenny Clarke - drums

Recorded on February 13, 1964 in Köln, West Germany.

Johnny Griffin / The Kerry Dancers

全8曲中の6曲がトラディショナル。その中のThe Kerry Dancersをタイトルにした。サブタイトルにはand Other Swinging Folkとある。しかし、本作の聴かせ所は、間違いなくHush-A-Byeなのだ。もし、この曲をタイトルにして、それに見合ったジャケットにしていれば、もっと評価されるアルバムになっただろう。雑木林で白い椅子に足を乗せたジョニー・グリフィン。意味不明。

そして、Hush-A-Byeは、後にグリフィンの十八番となった。自分が所有するグリフィンのアルバムではThe Man I Love(1967年3月録音)とCatharsis!(89年7月録音)に収録されている。どちらもライブなので、スタジオ録音の本作に比べると荒削りなのはやむを得ない。従って、Hush-A-Byeを聴くなら本作ということになるのだが、日本人ドラマーの第一人者である森山威男がこの曲を愛した。2枚のアルバムHUSH-A-BYE(78年2月録音)とLive At Lovely(90年12月録音)に収録。この2枚のそれぞれのフロント(小田切一巳、井上淑彦)は、グリフィンに負けず強力である。

1. The Kerry Dancers
2. Black Is The Color Of My True Love's Hair
3. Green Grow The Rushes
4. The Londonderry Air
5. 25 1/2 Daze
6. Oh, Now I See
7. Hush-A-Bye
8. Ballad For Monsieur

Johnny Griffin - tenor saxophone
Barry Harris - piano
Ron Carter - bass
Ben Riley - drums

Recorded on December 21, 1961 (tracks 2, 6 & 7) and January 5 (tracks 3, 5 & 8) & 29 (tracks 1 & 4), 1962 at Plaza Sound Studios, NYC.

Johnny Griffin / Studio Jazz Party

CD帯から。「スタジオをパーティ会場に仕立てて録音した、ユニークなセッション盤。和気あいあいとした雰囲気の中、グリフィンが脂の乗り切った骨太なプレイを披露する」。英文ライナーノーツを読むと、「友人や仲間のミュージシャンなどに招待状を送り、飲み物や食べ物を用意した。グリフィンの友人であるバブス・ゴンザレスが進行役」とある。ジャケットの写真を見ると、招待されたのは20人前後だろうか。プロデューサーはオリン・キープニュース。

グリフィンのディスコグラフィーによると、リーダーアルバムでは最初のライブ演奏。キープニュースは、グリフィンのライブアルバムを作りたかったのだろう。だが、適当なクラブが見つからずスタジオライブを思い付いた。そんな気がする。観客同士は知り合いも多かったはずで、和気あいあいの雰囲気は分かるが、スタジオ録音なので無駄な反響音がなく、その事が災いして「熱さ」があまり伝わってこない。

1. Party Time
2. Good Bait
3. There Will Never Be Another You
4. Toe-Tappin'
5. You've Changed
6. Low Gravy

Johnny Griffin - tenor saxophone
Dave Burns - trumpet
Norman Simmons - piano
Victor Sproles - bass
Ben Riley - drums
Babs Gonzales - announcer

Recorded on September 27, 1960 in NYC.