Charles Lloyd / Vanished Gardens

モンタレー・ジャズ・フェスティバルのライブアルバムForest Flower(1966年9月18日録音)で、時の人となったチャールス・ロイド。それから53年。今年で81歳を迎えたが、いまだに現役である。このアルバムは、全10曲中、偶数番目にルシンダ・ウィリアムズの渋いボーカルが入る。9曲目はロイドとビル・フリゼールのデュオでMonk's Mood(セロニアス・モンク作)。ラストは、このデュオにウィリアムズのボーカルが入ったAngel(ジミ・ヘンドリックス作)。

ロイドとウィリアムズのオリジナル曲が中心だが、最後にモンクとジミヘンを配置するという憎い構成。年齢を重ねる毎に音楽の幅が広がるロイド。リアルタイムで自分が追いかけているジャズマンの一人だ。そろそろ、次の新作を期待したい。

1. Defiant
2. Dust
3. Vanished Gardens
4. Ventura
5. Ballad Of The Sad Young Men
6. We've Come Too Far To Turn Around
7. Blues For Langston And LaRue
8. Unsuffer Me
9. Monk's Mood
10. Angel

Charles Lloyd - tenor saxophone, alto flute, ghost vocals
Lucinda Williams - vocals
Bill Frisell - guitar
Greg Leisz - pedal steel guitar, dobro
Reuben Rogers - bass
Eric Harland - drums

Recorded on April 14, 15 & September 9, 10, 2017 at East West Studios.

Charles Lloyd / Passin' Thru

チャールス・ロイドが9月初めに来日し、東京ジャズとブルーノート東京で公演予定。ジャズが金持ちの贅沢趣味になったような感じで、どちらも敷居が高い。81歳となったロイドには体力的に厳しいかも知れないが、新宿ピットインなどで追加公演してくれないだろうか。酒を飲みながら聴きたい。

さて、このアルバムは2つのライブから構成されている。1曲目のみが2016年6月のモントルー・ジャズ・フェスティバルで、残りの6曲が7月のレンジック・シアター(ニュー・メキシコ)である。モントルーのライブでは録音機材のトラブルがあったのか、それともレンジックのライブだけではアルバムの曲数が足りなかったのか。全7曲で74分47秒。1曲目は1966年にリリースしたアルバムDream Weaverのタイトル曲で17分45秒。ロイドは50年ぶりの演奏をこのアルバムに何とか収めたかったのだ。

1. Dream Weaver
2. Part 5, Ruminations
3. Nu Blues
4. How Can I Tell You
5. Tagore On The Delta
6. Passin' Thru
7. Shiva Prayer

Charles Lloyd - saxophone, flute
Jason Moran - piano
Reuben Rogers - bass
Eric Harland - drums

Track 1
Recorded on June 30, 2016 at Montreux Jazz Festival.

Tracks 2 - 7
Recorded on July 29, 2016 at The Lensic, Santa Fe New Mexico.

Charles Lloyd / The Water Is Wide

チャールス・ロイドが60歳を過ぎてからの演奏。完全に肩の力が抜けている。無理に自分を主張することなく、内に秘めたる気持ちをサックスという楽器を通して純粋に表現。その姿勢に、まわりのミュージシャンも同調。演奏が進むにつれ、どんどん熱くなり自己表現へ走る。ジャズにおいては、それは自然であり、その過程が共感を呼ぶことになる。だが、このアルバムは、熱くなっていかない。周囲を包み込むような大河の流れ。

タイトル曲The Water Is Wideは、スコットランドで16世紀頃から伝えられているバラッド。この曲に魅せられたのはロイドだけはでない。1975年11月21日、ディランはボストン・ミュージック・ホールでジョーン・バエズとデュオで、この曲を歌った。ライブアルバムThe Rolling Thunder Revueに収録。2002年11月リリースなので、本作録音の3年後。ロイドはディランに触発された訳ではないようだ。まさか、ロイドがディランのライブに足を運んだとも思えない。以下はCD帯のキャッチコピー。

「百戦錬磨のサックス奏者チャールス・ロイドが初めて手がけたセルフ・プロデュースによるECM作品。ついに実現した若き鬼才ピアニスト、ブラッド・メルドーとの共演が、果てしない音世界を紡ぎ出す。スイングジャーナル選定ゴールド・ディスク」。

1. Georgia
2. The Water Is Wide
3. Black Butterfly
4. Ballade And Allegro
5. Figure In Blue
6. Lotus Blossom
7. The Monk And The Mermaid
8. Song Of Her
9. Lady Day
10. Heaven
11. There Is A Balm In Gilead
12. Prayer

Charles Lloyd - tenor saxophone
John Abercrombie - guitar
Brad Mehldau - piano
Larry Grenadier - bass
Billy Higgins - drums
Darek Oles - bass (track 12)

Recorded in December 1999 at Cello Studios, Los Angeles.