Charles Lloyd / Forest Flower

2011年10月、自前のブログ『日々JAZZ』にこう書いた。「…ロイドはジャズにロックやフォーク的な要素を組み入れていたのだ。チック・コリアのReturn To Foreverは1972年の録音なので、このアルバムから6年後になる。こう考えると、このアルバムの価値が非常に高いことが分かる。しかも、ライブ演奏。45年経った今でも全く色褪せていない」。所有していたLPのライナーノーツは、悠雅彦氏が71年8月に書いている。モンタレー・ジャズ祭の傑作ライブアルバムと称賛し、スタジオ録音やオーバーダビングのことには一切触れていない。

最近、ようやくCDを購入。今度のライナーノーツは後藤誠氏が担当。全5曲中の2曲は、ジャズ祭の8日前にニューヨークのスタジオで録音したものであり、しかもライブ演奏のように拍手を被せていると書いている。これを読んで聴き直したところ、全くその通り。52年間、ロイド、というかアトランティックに騙されていたのだ。自分も悠氏も。2/5=40%色褪せてしまったアルバム。

1. Forest Flower - Sunrise
2. Forest Flower - Sunset
3. Sorcery
4. Song Of Her
5. East Of The Sun

Charles Lloyd - tenor saxophone, flute
Keith Jarrett - piano
Cecil McBee - bass
Jack DeJohnette - drums

Tracks 3 & 4
Recorded on September 10, 1966 at the Atlantic Studio in NYC.

Tracks 1, 2 & 5
Recorded on September 18, 1966 at the Monterey Jazz Festival.

Charles Lloyd / Dream Weaver

チャールス・ロイドは、かなり真面目にこの作品の制作に取り組んだはずだ。それは、アルバムに収められた曲の構成から推測できる。しかし、キース・ジャレットとジャック・ディジョネットは、ロイドの構想を越えて自己を表現しようと躍起になっている。我慢のロイド。それが半年後に大ブレイクした。ライブアルバム『フォレスト・フラワー』である。

考えてみれば、メンバー間の力量を試そうとしたアルバムであって、ロイドは「このメンバーなら、新たなムーブメントを起こせる」と感じたのだろう。ということで、前夜祭アルバム。そして、1年後の1967年5月、キースは自身のファーストアルバムLife Between The Exit Signsを録音。まだまだ無名に近かったキースがここにいる。

1. Autumn Sequence: Autumn Prelude / Autumn Leaves / Autumn Echo
2. Dream Weaver: Meditation / Dervish Dance
3. Bird Flight
4. Love Ship
5. Sombrero Sam

Charles Lloyd - tenor saxophone, flute
Keith Jarrett - piano
Cecil McBee - bass
Jack DeJohnette - drums

Recorded on March 20, 1966 in NYC.