Barry Harris / Breakin' It Up

CD帯から。「〈ビバップの伝道師〉ことハリスの初リーダー作。チャーリー・パーカーゆかりの曲やスタンダードナンバーを中心に、ジャズピアノの真髄を披露」。

伝道師かぁ。その通りかもしれないが、そういうレッテルを張られてしまうと、新たなスタイルを構築するのは難しくなるような気がする。ハリス自身が、そんなCD帯のキャッチコピーを読んでいるはずはないけれど、売り手が買い手に対して必要以上の固定観念を植え付けさせるのもどうかと思ってしまう。それよりも、録音日は特定されているが、シカゴのスタジオが明確になっていない。記念すべき初リーダー作なのに。

1. All The Things You Are
2. Ornithology
3. Bluesy
4. Passport
5. Allen's Alley
6. Embraceable You
7. SRO
8. Stranger In Paradise

Barry Harris - piano
William Austin - bass
Frank Gant - drums

Recorded on July 31, 1958 in Chicago.

Barney Wilen / More From Barney At The Club Saint-Germain

本作は1959年4月録音のライブアルバムBarneyの未発表テイク集。ライナーノーツによるとリリースは97年で、バルネ・ウィランが96年5月25日に他界したため、追悼盤の意味合いがあったと書かれている。しかしながら、40年近くもテープを倉庫に眠らした理由はどこにあったのだろうか。

演奏そのものは、アルバムBarneyに決して劣らない内容である。ましてや、ウィランとしては、十分に納得できるライブ演奏をタイムリーに世に出せず不本意だったに違いない。ライナーノーツを担当した原田和典氏は、そんな重要なポイントには触れず、字数稼ぎだけをしているのだ。

1. The Best Things In Life Are Free
2. All The Things You Are
3. Reets And I
4. 'Round Midnight
5. With A Song In My Heart
6. Time On My Hands
7. There'll Never Be Another You
8. As Time Goes By

Barney Wilen - tenor saxophone, soprano saxophone
Kenny Dorham - trumpet
Duke Jordan - piano
Paul Rovere - bass
Daniel Humair - drums

Recorded on April 24 & 25, 1959 at The Club Saint-Germain, Paris.

Barney Wilen / Barney

CD帯から。『フランスの重鎮サックス奏者、バルネ・ウィランが若き日にパリのクラブ「サンジェルマン」で吹込んだ生涯の代表作。ケニー・ドーハム、デューク・ジョーダン等、アメリカの大物ミュージシャンをバックに迎え、ハードバップ~ファンキー・ジャズ色の濃いプレイを繰り広げる。「ジョードゥ」、「ベサメ・ムーチョ」等、名曲がずらりと並んでいるのも嬉しい』。ジョーダン「等」と書いているが、アメリカからのミュージシャンはドーハムとジョーダンのみ。さらに、ピアノのジョーダンはよしとしても、トランペットのドーハムを「バックに迎え」という表現は不適切。

ところで、ラストに配置されたウィランの作品Témoin Dans La Ville(彼奴を殺せ)の出だしは、マイルスが演奏するWalkin'にそっくりだ。ジョーダンのピアノで始まるので、スコアをウィランから渡されたジョーダンは「おい、冗談だろ?」と言ったとか。

1. Besame Mucho
2. Stablemates
3. Jordu
4. Lady Bird
5. Lotus Blossom
6. Everything Happens To Me
7. I'll Remember April
8. Témoin Dans La Ville

Barney Wilen - tenor saxophone, soprano saxophone
Kenny Dorham - trumpet
Duke Jordan - piano
Paul Rovere - bass
Daniel Humair - drums

Recorded on April 24 & 25, 1959 at The Club Saint-Germain, Paris.