Barney Wilen / Tilt

CDの帯から。『マイルス・デイビス、アート・ブレイキー、ジョン・ルイスらを虜にした天才サックス奏者、バルネ・ウィランが20歳のときに残した公式初リーダーアルバム。「ブルーン・ブギ」、「チュニジアの夜」などモダンジャズの定番に加え、セロニアス・モンクの名曲を多数とりあげているのも特徴だ』。

「虜」とは大げさな表現。確かに彼らから声が掛かってセッションに参加したアルバムは何枚かある。所有しているのはジョン・ルイスのAfternoon In Paris、マイルスのAscenseur Pour L'ÉchafaudとAmsterdam Concertの3枚で、1956年から57年のパリとアムステルダムでの録音。「虜」になってしまったのなら、本国アメリカへ連れて帰り共演させただろう。バルネは1937年3月4日生まれなので、正確には19歳10ヶ月での録音。モンクの曲は決して簡単ではないが、果敢に挑戦した。ジャケットの写真も含めて、これから上を目指していくんだという勢いを感じる。だが残念なことに、彼らとの共演はその後実現しなかった。60年代に入ると、バルネはロック畑へ移ったらしい。

1. Blue N' Boogie
2. Nature Boy
3. My Melancholy Baby
4. A Night In Tunisia
5. The Way You Look To Night
6. Hackensack
7. Blue Monk
8. Mysterioso
9. Think Of One
10. Blue N' Boogie [alternate take]
11. Nature Boy [alternate take]
12. Hackensack [alternate take]
13. Blue Monk [alternate take]
14. We See
15. Let's Call This

Tracks 1 - 5, 10 & 11
Barney Wilen - tenor saxophone
Maurice Vander - piano
Bibi Rovere - bass
Al Levitt - drums
Recorded on January 7, 1957 in Paris.

Tracks 6 - 9, 12 - 15
Barney Wilen - tenor saxophone
Jacky Cnudde - piano
Bibi Rovere - bass
Charles Saudrais - drums
Recorded on January 11, 1957 in Paris.

Barney Kessel / On Fire

かなり怪しいジャケット。どう見ても二人の女性は丸裸。身に着けているのはハイヒールのみ。バーニー・ケッセルは中央でOn Fire状態。ライブ録音ながら、録音年月日が定かでない。これまた、そうとう怪しい。1965年の録音は間違いないのだろうが、55年経った今でも詳しいデータが出てきていない。

だが、演奏の中身は決して怪しくない。スイングジャーナルのゴールド・ディスクに選ばれたアルバムである。LPのライナーノーツには、児山紀芳氏が1982年5月付けで「67年11月にケッセルが来日したとき、このアルバムにサインをもらったが、レコーディングの様子を尋ねなったことを後悔している」と書いている。そして、ライナーノーツの最後に「本アルバムはオリジナル・マスターテープのクォリティ上音質面で問題がありますが何卒ご御了承下さい」とあり、録音機材にも問題があったようだ。演奏自体は名盤、それ以外は迷盤なのである。

1. Slow Burn
2. Just In Time
3. The Shadow Of Your Smile
4. Recado Bossa Nova (Gift Of Love)
5. Sweet Baby
6. Who Can I Turn To (When Nobody Needs Me)
7. One Mint Julep

Barney Kessel - guitar
Jerry Scheff - bass
Frankie Capp - drums

Recorded in 1965 at P.J.'s, Hollywood, CA.

Barney Kessel / The Poll Winners

バーニー・ケッセル、レイ・ブラウン、シェリー・マンの3人が、音楽雑誌の人気投票で首位を獲得したことから企画されたアルバム。ジャケットも「おめでとうございます」的な感じ。純粋?ジャズファンからは、勝手にすればと扱われていた気がする。Poll Winner(投票の勝者)に引っ掛けてPole(棒)を持っているので、お笑い芸人風でもある。まぁ、どちらも米国英語の発音記号はpóʊlだから、オヤジギャグの範疇だろう。

ただし、メンバーを見れば一目瞭然。二流の出来になる訳がない。「B級ご機嫌ジャズ」と位置付けたい。選曲もグッド。ラストにNagasakiを配置したことに注目。所有するアルバムでは、ズート・シムズがこの曲をアルバムEither Wayに収録している。

1. Jordu
2. Satin Doll
3. It Could Happen To You
4. Mean To Me
5. Don't Worry 'Bout Me
6. Green Dolphin Street
7. You Go To My Head
8. Minor Mood
9. Nagasaki

Barney Kessel - guitar
Ray Brown - bass
Shelly Mann - drums

Recorded on March 18 & 19, 1957 at Contemporary Records Studio, Los Angeles, CA.