Dexter Gordon / Homecoming

CD帯から。「20世紀のジャズ・ジャイアントが約15年ぶりにヨーロッパから戻って繰り広げた伝説のライブ。母国アメリカのジャズシーンに復帰した喜び、人生のそのものが聴こえる音によるドキュメント」。最後の「人生・・・」は、何を伝えようとしているのか不明。結局のところ、麻薬による逮捕歴でアメリカでの活動が制限されヨーロッパに渡り、ようやくアメリカに戻ってのライブアルバム。「伝説」とか「人生」などという言葉を安易に使うと、このアルバムの演奏を逆に浮いた感じにしてしまう。

で、伝説でなくてもいいし、人生を表現した演奏でなくてもいい。この2枚組のライブアルバムは一過性のメンバーだったかもしれないが、デクスター・ゴードンにとっては「気合一発」で勝負に挑んだことは間違いない。その熱気が伝わってくる。しかしながら、ライブアルバムとしては抑揚に欠ける。2日間のライブを編集したのだろうが、起承転結を感じさせる構成になっていない。

Disc 1
1. Gingerbread Boy
2. Little Red's Fantasy
3. Fenja
4. In Case You Haven't Heard
5. It's You Or No One

Disc 2
1. Let's Get Down
2. 'Round Midnight
3. Backstairs
4. Fried Bananas
5. Body And Soul

Dexter Gordon - tenor saxophone
Woody Shaw - trumpet, flugelhorn
Ronnie Mathews - piano
Stafford James - bass
Louis Hayes - drums

Recorded on December 11 & 12, 1976 at The Village Vanguard, NYC.

Dexter Gordon / Jazz At Highschool

昔、坂田明さんと東京町田で飲んだとき、「ジャズマンなんて個人事業主なので、何でも自分でやらないとね」と語ってくれたことを忘れられない。このアルバムが録音された当時のデクスター・ゴードンも、同じ状況だったようだ。声が掛かれば馳せ参じ、仕事を貰っていたらしい。

高校でのジャズクリニックが終わってから、ライブ演奏に臨み、それを捉えたアルバム。一つの仕事を終えてからのライブなので、非常にリラックスした雰囲気を感じ取れる。その一例として、デクスター作Society Red中では、ハービー・ハンコック作のWatermelon Manがベースソロの後に挿入される。「責任」と「解き放された自由」。このバランスが実は大事なんだ。

1. Soy Califa
2. The Shadow Of Your Smile
3. Society Red
4. For All We Know
5. The Blues Up And Down

Dexter Gordon - tenor saxophone
Kenny Drew - piano
Niels-Henning Ørsted Pedersen - bass
Al Heath - drums

Recorded on August 5, 1967 by The Danish National Radio at a jazz clinic for music students at a high school in Sweden.

Dexter Gordon / Gettin' Around

一曲目の「黒いオルフェ」の特徴的なアレンジ。そして、アルバム全体でリラックスした雰囲気を醸し出しているボビー・ハッチャーソンのヴァイブ。この2点が、このアルバムの大きな売りである。デクスター・ゴードンのディスコグラフィーを見ると、ディスク上でのハッチャーソンとの共演は本作が初めて。共演は、プロデューサーのアルフレッド・ライオンによるアイデアだったのだろう。

ジャズのアルバムタイトルは、収録曲から採用することが多い。だが、本作にはGettin' Aroundという曲は存在しない。"get around"は、「あちこち移動する」とか、「動き回る」という意味。自転車に乗るジャケットの写真とは何となく一致するが、どうもしっくりしない。Wikipediaによると、ゴードンは1960年代初頭から76年にかけて渡欧し、フランスやデンマークを拠点に活動、とあった。つまり、本作はアメリカへ一時帰国した時の録音になる。だから、Gettin' Aroundなのだ。自転車は全く関係ない。

1. Manha De Carnaval
2. Who Can I Turn To
3. Heartaches
4. Shiny Stockings
5. Everybody's Somebody's Fool
6. Le Coiffeur

Dexter Gordon - tenor saxophone
Bobby Hutcherson - vibraphone
Barry Harris - piano
Bob Cranshaw - bass
Billy Higgins - drums

Recorded on May 28 (tracks 1,5,6) & 29 (tracks 2,3,4), 1965 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.