不思議なアルバム。ジャケットの写真は何を表現しようとしているのか。さらに、ボビー・ハッチャーソンが照れくさそうに笑っている。ジャケット以上に不思議なのが、収録曲の配置。LPで言えば、A面がハッチャーソン、B面がドラマーのジョー・チェンバースの作品を割り当てている。つまり、名義が入れ替わっているのと同じだ。しかも、録音は一日で終えている。
ブルーノート、というかプロデューサーのアルフレッド・ライオンが、このアルバムに持ち込もうとしたコンセプトが見えてこない。ハッチャーソンのヴィブラフォンの音色は、時に悲しく、時に躍動的。それが狙いだったら、タイトルとジャケットは、もっと工夫すべきだった。「Components(部品)」を提供するから、好きなように自分の中で組み立ててくれ、ということなのだろうか。
1. Components
2. Tranquillity
3. Little B's Poem
4. West 22nd Street Theme
5. Movement
6. Juba Dance
7. Air
8. Pastoral
Bobby Hutcherson - vibraphone, marimba
James Spaulding - alto saxophone, flute
Freddie Hubbard - trumpet
Herbie Hancock - piano
Ron Carter - bass
Joe Chambers - drums
Recorded on June 10, 1965 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.