Sonny Rollins / Without A Song

同時多発テロ9/11の4日後に、ボストンで行われたライブ演奏。異様な雰囲気に包まれたライブだったと容易に想像できる。Bob Blumenthal(ボブ・ブルーメンソール)による2005年5月付け英文ライナーノーツには、以下のようなことが書かれている。

「ロリンズのマンハッタンのアパートは、世界貿易センターからわずか6ブロックで、ツインタワーが倒れた時、彼はアパートにいた。そして、彼は不安定になり、ボストンでのコンサートをキャンセルすることを考えた。だが、妻のルシールはキャンセルしてはいけないと諭したのだ。彼のファンの一人が、許可を受けてコンサートを録音。ロリンズ自身も録音していた。品質を損なわないようにと、二つのテープをリミックスして本作をようやく完成させた」。

アルバム化を想定したライブではなく、プロによる録音でもなかったことが分かる。そのため、ライブから4年を費やして、2005年8月30日にリリース。音が抜けないロリンズのサックス。それは肉体的衰えだけでなく、精神的な部分もあったのだろう。ならば、演奏方法を変えればいい。聴き手はかつてのロリンズを期待している訳ではない。70歳を超えたからこその巨匠の音を聴きたかったはず。変わらないロリンズ、変えられないロリンズ。それをさらけ出してしまったアルバム。

1. Without A Song
2. Global Warming
3. Introductions
4. A Nightingale Sang In Berkeley Square
5. Why Was I Born
6. Where Or When

Sonny Rollins - tenor Saxophone
Clifton Anderson - trombone
Stephen Scott - piano
Bob Cranshaw - electric bass
Perry Wilson - drums
Kimati Dinizulu - percussion

Recorded on September 15, 2001 at The Berklee Performance Center, Boston.

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