このアルバムについて、ディランはこう語っている。「私はこれらの曲はどう見てもカバーとは思っていない。実際カバーされすぎて本質が埋もれてしまっている。私とバンドがやっていることは、基本的にその覆い(カバー)を外す作業だ。本質を埋められた墓場から掘り起こして、陽の光を当てたのさ」。掘り起こされたのは、ここに収録された10曲。
しかしである。ジャズの世界ではカバーとか掘り起こしといった感覚はない。なぜならば、それらは材料でしかないからだ。材料をどう料理するかに、ある意味で命を賭けるのがジャズマン。ディランは、フォークとロックの世界で数多くの金字塔を打ち立てて来た。ジャズの範疇に位置付けられた曲を歌いたかったのだろうが、「陽の光を当てた」とはおこがましい。ましてや、ジャケットをブルーノート風にするとは。まぁ、ディランらしく、それまで通りやりたいことをやったアルバムなのである。
1. I'm A Fool To Want You
2. The Night We Called It A Day
3. Stay With Me
4. Autumn Leaves
5. Why Try To Change Me Now
6. Some Enchanted Evening
7. Full Moon And Empty Arms
8. Where Are You?
9. What'll I Do
10. That Lucky Old Sun
Bob Dylan - vocals, production
Daniel Fornero - trumpet
Tony Garnier - bass guitar
Larry G. Hall - trumpet
Dylan Hart - French horn
Donnie Herron - pedal steel guitar
Alan Kaplan - trombone
Stu Kimball - guitar
Andrew Martin - trombone
Joseph Meyer - French horn
George Receli - percussion
Charlie Sexton - guitar
Francisco Torres - trombone
Recorded in February 2014.
Released on February 3, 2015.
* * * 2021.6.14 * * *
このアルバムについて、ディランはこう語っている。「私はこれらの曲はどう見てもカヴァーとは思っていない。実際カヴァーされすぎて本質が埋もれてしまっている。私とバンドがやっていることは、基本的にその覆い(カヴァー)を外す作業だ。本質を埋められた墓場から掘り起こして、陽の光を当てたのさ」。掘り起こされたのは、ここに収録された10曲。
しかしである。ジャズの世界ではカヴァーとか掘り起こしといった感覚はない。なぜならば、それらは材料でしかないからだ。材料をどう料理するかに、ある意味で命を賭けるのがジャズマン。ディランは、フォークとロックの世界で数多くの金字塔を打ち立てて来た。ジャズの範疇に位置付けられた曲を歌いたかったのだろうが、「陽の光を当てた」とはおこがましい。ましてや、ジャケットをブルーノート風にするとは。まぁ、ディランらしく、それまで通りやりたいことをやったアルバムなのである。