2007年10月にスタンダーズ・トリオ25周年記念でリリースされたアルバム。しかし、録音は2001年7月。つまり、6年以上も倉庫にしまって置いた音源である。では、なぜにリアルタイムで世に出さなかったのか。謎である。これは自分の憶測。2001年9月11日のアメリカ同時多発テロによる市場の拒否反応を恐れた。キース自身のライナーノーツに、そんなことは書いていないし、ネットで調べても事実は一切浮かんでこない。翌2002年7月にアルバムUP FOR ITを録音し、2003年にそれをリリース。本作は、リリースする機会を逸してしまい、25周年記念に狙いを定めたと思える。キースは冒頭でこう書いている。
「これは、然るべき時が現れるまでと、手元に離さず置いていたコンサート録音だ。最もメロディックに、スウィンギーに、ダイナミックに浮揚するトリオが捕らえられている。これほど、お客の首根っこを掴んで揺らしても(文字通りにそうしたかったくらいに)、オレたちのやっていることを聴けと、僕たちが言いたかった夜もない(訳:小山さち子氏)」。では、この「然るべき時」をキースはどう考えていたのか。答えてくれていない。いや、機を逸したのは、タイトルMy Foolish Heart(愚かな我が心)ということか。
Disc 1
1. Four
2. My Foolish Heart
3. Oleo
4. What's New
5. The Song Is You
6. Ain't Misbehavin'
Disc 2
1. Honeysuckle Rose
2. You Took Advantage Of Me
3. Straight, No Chaser
4. Five Brothers
5. Guess I'll Hang My Tears Out To Dry
6. Green Dolphin Street
7. Only The Lonely
Keith Jarrett - piano
Gary Peacock - bass
Jack DeJohnette - drums
Recorded on July 22, 2001 at Montreux Jazz Festival, Stravinski Auditorium.