Keith Jarrett / The Melody At Night, With You

このアルバムは、慢性疲労症候群で活動を休止していたキースが、2年間の療養生活の後にようやく復活し、1998年末に自宅スタジオで録音したスタンダードとトラディショナル曲を集めたソロピアノ集、と紹介されることが多い。つまり、病み上がりのキースを前提に聴いてくれということ。言い換えれば、リハビリ・アルバムなのである。

ジャズ的な緊張感は一切ない。タイトルの如く、メロディーがゆっくりと流れていく。一歩間違えれば単なるBGM。その中でも、アメリカ民謡Shenandoah(シェナンドー)を収録したことに注目したい。この曲は、キースと縁が深いチャーリー・ヘイデンとチャールス・ロイドが取り上げている。それぞれのアルバムは、2008年録音のRambling Boyと15年録音のI Long To See Youである。3人には共通するルーツがあるようだ。それらに遡って、ボブ・ディランがアルバムDown in the Groove(録音1983-87年)で歌っているのだ。

1. I Loves You, Porgy
2. I Got It Bad And That Ain't Good
3. Don't Ever Leave Me
4. Someone To Watch Over Me
5. My Wild Irish Rose
6. Blame It On My Youth / Meditation
7. Something To Remember You By
8. Be My Love
9. Shenandoah
10. I'm Through With Love

Keith Jarrett - piano

Recorded in December 1998 at Cavelight Studio, New Jersey.

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